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 絶版マンガに広告をつけて無料公開する取り組みを続けてきたマンガ家の赤松健さんは10日、読者が絶版マンガを投稿できるサイト「絶版マンガ図書館」を11日に立ち上げると発表した。市場に出回らない絶版マンガを合法的に読めるサイトの充実を図り、海賊版を撲滅したいという。

 出版社は売れる作品しか電子化せず、絶版マンガを読みたい読者は海賊版をみる傾向があった。そこで赤松さんは2010年から、絶版マンガを電子化して広告付きで無料公開し、広告収入を作者に還元する事業を進めてきた。

 ただ公開中の538作品の9割は、マンガ家からの依頼で電子化したものだった。新たに立ち上げる「図書館」は、より広く読者から投稿を募り、作品数を増やすのが狙い。著作権者の了解を得てから、広告付きで無料公開するという。合法的に読める絶版マンガを増やし、マンガ文化の裾野を広げる考えだ。

 赤松さんは「将来的にはアマゾンなどの販売サイトと、『絶版マンガ図書館』の2種類で、すべてのマンガを読める時代がくる」と話した。(高津祐典)