ツイッター分析:セクハラヤジ 都議特定を求めたユーザー

2014年06月24日

ツイッター発信者数の変化
ツイッター発信者数の変化

 今回のヤジ問題の特徴は、「都議会」や「ヤジ」に言及するツイッターユーザーの発言が、ヤジの内容への賛否や塩村氏に対する人物評や好き嫌いなど各方向へ分散せず、ヤジを飛ばした議員の特定を求めていくという1点に向かっていたことだ。問題が広がっていった19日から塩村氏本人の発信に加え、東京都教育委員の乙武(おとたけ)洋匡(ひろただ)さんの「たとえばサッカーなら、差別的な発言や野次を飛ばしたチーム、選手個人には処分が下る。都議会は、『誰が言ったかわからない』と、うやむやにするつもりなのか」といった発信や、署名サイト「Change・org(チェンジ・ドット・オーグ)」上での発言者の特定と厳正処分を自民党都連に求める署名を呼びかけへの賛同が目立った。

 23日にようやく自民党の鈴木章浩議員が自分の発言と認め陳謝したが、それまでは疑わしい都議の実名を挙げているツイートや「特定が難しいって本気か」「(ヤジを飛ばした都議を)逃げ切らせてはダメ」「例のヤジ、特定しないんですか」「(ヤジを)言った本人や近くにいた議員も誰が言ったか分かっているでしょう」−−といったツイートが多かった。発言した都議の特定にもたつく自民党会派の女性蔑視発言に対する意識の低さ、対応の遅さに対する不満、批判が根底にあるようだ。

 ツイート数が増加する社会問題は、「原発」「憲法」のように激しく賛否が分かれての議論となることが多い。今回はそうはならず、多くのユーザーが「ヤジ飛ばした議員をうやむやにさせない」という一つの方向に発信する展開になっている。

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