ベネッセ情報流出:さらに波紋…横浜の2動物園行事からも

毎日新聞 2014年07月11日 13時30分

 ◇「一体、どういう管理を」「これ以上の拡散ないのか」

 通信教育大手ベネッセホールディングス(岡山市)による顧客情報の漏えい問題は、流出の事実が公表された9日から2日が経過した11日も、横浜市内の2動物園のイベントで同社が集めたアンケートの個人情報が流出している可能性が明らかになるなど、波紋を広げた。

 「一体、どういう管理をしているのか」「これ以上拡散する可能性はないのか」

 ベネッセ広報によると、商品・サービスを利用している家庭の保護者らからの抗議・相談の電話は流出の事実を公表した9日からの2日間で約3万2500件に達した。

 横浜市は11日、ベネッセが2008年から市内の2動物園で計445日間開催したイベントで取得した参加者の個人情報が漏えいした可能性があると発表した。漏えいの恐れがあると10日にベネッセから連絡があったという。約760万件の流出分に含まれているかは確認中で、今後のイベントは自粛する。市によると、イベントは中学3年生以下を対象にしたもので、参加人数は把握していないという。

 2動物園は公益財団法人横浜市緑の協会が管理する「よこはま動物園ズーラシア」(旭区)と「野毛山動物園」(西区)。

 また、下村博文文部科学相は閣議後の記者会見で、ベネッセが文科省から受注している全国学力テストの業務に関する個人情報について、「漏えいしたデータベースとは別の独立したサーバー内で厳重に保管されていて外部流出はないとの報告を受けている」と述べた。同社は、07年度から毎年4月に実施している全国学力テストのうち、小学6年生分の採点や集計業務を毎年受注している。

 茂木敏充経済産業相も閣議後会見で、全国学習塾協会と全国学習塾協同組合、日本通信販売協会に対し、個人情報の適切な取り扱いの徹底を要請する方針を示した。【飯田憲、三木陽介、松倉佑輔】

最新写真特集