村上尚史、能田英二
2014年7月11日20時30分
大リーグで最多勝と新人王争いのトップを走っていたヤンキースの田中が、右ひじ靱帯(じんたい)の部分断裂のため、長期離脱が決まった。田中の快投を支えてきたのが、鋭く落ちる変化球「スプリット・フィンガード・ファストボール」。今の米球界ではあまり投げられないこの決め球の多投が、ひじに負担を与えたのでは、と見る関係者が多い。
ここぞという場面で打者から空振りを奪える田中のスプリットは、「消える魔球」と恐れられていた。
球の軌道は直球と同じ。打者にとってはストレートと思いきや、バットを振った瞬間に視界からスッと消えていく。大リーグの球種などを分析する米インターネットサイトによると、田中のスプリットの平均球速はメジャーの中でも速い87・36マイル(約141キロ)。落差は約20センチといわれる。
スプリットを投げる投手は大リーグには少ない。腕の振りは直球と同じだが、人さし指と中指で球を挟み、手首のスナップを利かせる。この投げ方で多投すると、ひじなどに負担がかかると懸念されてきたからだ。投げ手が少ないから、打者は球筋を見慣れず、有効な武器にもなる。
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