漢字トーク6賛歌


私は今もなお細々と漢字トーク6(システム6)を使いつづけています。それは何と言うかヴィンテージカーに乗るのと合い通じるところがありますが、また漢字トーク6ならではという最近のOSでは得られない長所もあります。なによりパソコンを使って行う個人の創造的活動のおいては、自分の気に入っ た道具を使うということがその成果に大きく影響すると思います。嘗て文筆家の多くが万年筆に凝ったというのは故のないことではありません。どんなに高性能・機能豊富なOSよりも、快適に使える、自分の手になじんだOSが最もプロダクティブなOS...というのが私のモットーです。

もう15年以上昔のOSであるシステム6ですが、基本的なところは現在のOS9とあまり変わりません。テクニカルライターの柴田文彦氏がASCII誌のインタビューで「ホントのMacというのはSystem7以前じゃなかったか」という発言をされていましたが、システム6はMacOSの一つの完成形と言うことができると思います。当時これだけのものを作ったAppleの技術力というのはやはりすごかったんですね。

システム6は少ないメモリー、低速なCPUでも快適に動作します。立ち上がりが早く、PDAのような気軽さでパワーオンして使え(ちょっと大げさ)、それでいて基本的な機能は十分にカバーしています。用途を限定すれば今でも何とか実用的に使うことができます。以降私なりの漢字トーク6の強化策・使い道をご紹介します。

 

漢字トーク6を使うには


1991年にパワーブックシリーズとともにシステム7がデビューしました、これ以前のモデルであえば全て漢字トーク6を走らせること ができます。またこれ以降に作られたモデルでもLCIIとパワーブック145だけは例外的に漢字トーク6が動作します。

SE/30などは今でも人気 が高いようですが、そういったモデルをのぞけば、ほとんど二束三文の値段で入手できます。これも漢字トーク6を使うメリットの一つです。ちなみに私が使用しているのは、LCIIとパワーブック145。どちらも食事1回分程度の費用で入手しました。漢字トーク6ではアイコンは全て白黒なのでビデオ回路には特にこだわる必要はないですが、やはりカラー表示ができたほうがいいですね 。私はLCIIのVRAMカードを256KBから512KBのものに付け替えて640x480で256色がでるようにしています。メモリーは最低4MB、ハードディスク容量は200MBくらいあれば大丈夫です。

漢字トーク6自体は入手が困難になりました。英語版のシステム6のようにAppleが開放してくれればいいのですが。厳密に言えば著作権の侵害になるのでしょうが、インターネットからダウンロードもできるようです。

 

インストール


漢字トーク6にはいくつかのバージョンがありますが、もっともポピュラーなのは最終版の6.0.7。2DDフロッピーで8枚、HDフロッピーで4枚の構成です。実はその修正版というか後継版の6.0.7.1があり、パワーブックやClassic IIにはこちらが必要です。

インストール完了後、システムフォルダーの中のファイル数はたったの35。漢字トーク6は比較的安定していてフリーズすることが稀ですが、これを見るとなるほどという気がします。

 

漢字トーク6を強化する


インストールしたての漢字トーク6、そのままではちょっと使いにくいところがあります。以下のように手を加えてやることでぐっと使い勝手が向上します。

  1. ファインダーのデフォルト表示フォントはOsaka 12ポイント。ちょっと大きすぎる感じがします。9ポイントくらいが丁度なので、ResEdit を使ってFinderのリソースを書き換えます。

    Osaka 12ポイント
    Osaka 9ポイント


  2. 漢字トーク6の大きな弱点はTrueTypeを標準でサポートしていないことです。文字を大きくするとジャギーな表示になって、昔懐かしいですが、これは実用上大きな障害です。この問題はAppleの「漢字TrueType」というソフトウェアをインストールすることで解決します。HDフロッピー12枚を次々にインスト ールして完了。システム6ではフォントがシステムファイルの中に保存されるので、サイズが約13MBに膨れ上がります。

  3. 漢字トーク6のもう一つの大きな問題はプリンターです。現在入手できるインクジェットプリンターで漢字トークに対応したものは皆無。中古市場でスタイルライターIかIIを探すしかありません。レーザープリンターは、ポストスクリプトとアップルトークを備えたモデルであれば、システム付属のレー ザーライタードライバーが使えます。ただしこのドライバーはシステム7以降のレイザーライタードライバーと相性が悪いです。システム6とシステム7の混在したネットワークでは、異なったドライバーから交互にプリントすると、その度にプリンターがイニシャライズを繰り返します。これはシステム6のレーザーライタードライバーをシステム7のドライバーで置き換えることで防ぐことができます。

    ちなみに私はQuickDrawタイプのAppleのPersonal LaserWriter 300を使っています。

  4. デフォルトのFEPは2.1変換。これははっきり言ってほとんど役に立たないのでサードパーティ製のものを使うことになります。VJEやEGBridgeがポピュラーですが、私はずっとEGBridgeを愛用しています。漢字トーク6に使えるバージョンは5.1まで。

便利な拡張機能


ファイルのコピー、削除、移動など、Aliasを作れないことを除けばFinderの操作はOS9と基本的に変わりませんが、Bareboneという感じの否めない漢字トーク6。いろいろなシェアウェアを使うことで相当部分まで補足することができます。ただし拡張機能が増えるたびにブート時間が延びるので、必要最小限に留めるのがコツでしょう。

SuperClock! メニューバーの右端に時間を表示する定番中の定番フリーウェア。あまりに人気がありすぎて、システム7.5からはシステム標準機能となりました。
Extensions Manager これもシステム7.5からシステム標準となった定番フリーウェア。システム7.5ではシステムファイルの数が数え切れないほどにあって、これがないともう収拾がつきませんが、システム6ではそれほどでもありません。でもあると便利。
Mount Image AppleのDiskImage Mounterは残念ながらシステム6では使えません。でも大丈夫。Mount Imageが使えます。
AccessPC AppleのPC Exchangeがシステム6では使えない?大丈夫、AccessPCがあります。
WindowShade システム7.5からシステムに標準となったWindowShade。バージョン1.1はシステム6で稼動します。ウィンドウを開け閉めするときの「シャッ」という音がこのバージョンでは出せないのがちょっと残念。
POPChar キャラクターの一覧を表示します。基本的な機能はKeyCapsと同じですが、optionキー、ctrlキーを押さなくても全ての文字をワンクリックで表示し、かつ入力することができます。英文を書くときに非常に便利。残念ながらシステム6でしか動作せず、アップグレードもされませんでした。
SCSIProbe 誰もが使っていた定番フリーウェア。これはシステムに取り込まれませんでした。SCSI機器を一覧できるだけでなく、ボリュームのマウントもできます。
NoMeMo Busters おなじみノメモバスターズ。なくても特に困るわけでもないし、あっても別に便利でもない。だけどないと寂しいソフト。
Inline++EGB EGBridgeがインライン入力できないソフトでインライン入力を可能にします。
AfterDark フライング・トースターが有名なAfterDark。スクリーンセイバーというソフトウェアのジャンルを切り開いたパイオニア。でも初めてのスクリーンセイバーはPyro!ではなかったかと思います。
On Cue Aliasの作れないシステム6ではランチャーが必須。いろいろな製品がありますが、On Cueがシンプルで使いやすく気に入っています。
Print Preview プリントイメージをスクリーン上で確認できます。
QT/Snipper スクリーンのスナップショットが取れます。

 

 

 

アプリケーション


往年のアプリケーションには優れたものが多いです。小池邦人氏がMacLifeの対談で、アップルワークスとマックドローの比較を例に挙げ、「ソフトウェアが退化している」という発言をされていましたが、頷かせるものがあります。どのアプリケーションが使い良いかは人それぞれ異なりますが、以降は私のお勧めです。

マックドローII 私が多分今まで一番お世話になったソフトです。シンプルながら基本的な機能はガッチリと押さえ、ほぼ完成の域に達しています。不満といえばテキスト入力で、タブ・インデントの設定ができないことくらい。作表や製図から簡単なページレイアウトまで、このソフト1本で日常業務の大半をカバーできます。
クラリスワークス2 言うまでも無くおなじみの統合ソフト、クラリスワークス。漢字トーク6ではインライン入力ができないのが玉に傷。マックユーザは大体クラリスワークスを持っているので、データ交換に便利です。
マックライトII シンプルで高速なワープロ。この程度の機能が揃っていればワープロとしては十分。デフォルトのフォントを設定できないのが残念。
EGWord 5.0 マック用に初めて開発された日本語ワープロのEGWord。今もバージョンアップを続けているのはさすがです。漢字トーク6で使えるのはこのバージョン5.0まで。
エクセル2.2 う〜ん。表計算ソフトはやっぱりエクセルですね。いろいろな表計算ソフトが現れては、エクセルの強固な壁の前に消えていきました。 バージョン3も漢字トーク6互換だと思いますが、私の手許にあるにはこのバージョン2.2。
Longman Dictionary of American English 英語学習者向けとして非常に人気の高い英英辞書の電子版です。収録語数がやや少なめなのが難点。
(番外)
Managing Your Money 5.0
アメリカの個人用会計ソフトの分野はQuickenの一人勝ちですが、私はこのソフトを10年以上もアップグレードすることなく使い続けています。OS9でも問題なく稼動し、Macソフトの互換性の高さに感服。

 

(番外編)インターネット


インターネットへの接続はあきらめた方がいいです。「なんでもかんでも漢字トーク6で」というこだわりは尊重しますが、やはりちょっ と悪あがきという気がしないでもありません。一応インターネットに接続は可能で、システム6で動作するブラウザ(テキストだけ、画像は表示できない)もありますが、ほとんど使い物になりません。またシステム6でも使用可能な電子メールソフト、Eudora 1.3.8Jは確かに良くできたプログラムです。私も随分お世話になりま した。しかしなにぶんHTMLメールが読めません。HTMLなんて邪道だという考えには、私もどちらかといえば賛成ですが、実際問題として世の中にはHTMLメールが氾濫しており、これが読めないのはやはり困ります。

 


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