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日本のクリエイティヴは「製造業」たりえるか?:『シドニアの騎士』にみるCGスタジオの起死回生

 
 
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TEXT & PHOTOGRAPHS BY ASSAWSSIN

北米で勝ち取った大型受注を契機にポリゴン・ピクチュアズは経営危機を脱し、世界で5指に入るテレビアニメCGスタジオへと成長した。

異業種の事例を真摯に学び、映像業界の体質改善を説く塩田だが、一方で日本のお家芸たる「ものづくり」の現状に不満も感じている。

「勝てなくなってきているでしょう? ぶっとんだ発想とか、”Out of the box”(規定外)的な動きが足りない。いわゆるクリエイティビティが欠如している」

かつて1990年代、日本の製造業には兆しがあった。大手電機メーカーがハリウッドの映画会社を買収するなど、ソフトウェア産業を抱き込む動きを加速させた。しかし、それは単なる投資合戦に終わる。トラブル続きで売却されたケースもあった。日本のものづくりが「クリエイティヴの感性を引用する」という、ドラスティックな変化はみられなかった。

「結局、日本ではソフトとハードが分離しちゃってるんですよ。クリエイティヴ系の職種って『人種が違う』と差別される傾向がある。クリエイターはクリエイターで、特別扱いしてほしいと思っている。クレージーな振る舞いをしても許される、みたいな……だから物作りのメインストリームから締め出されてしまう」

クリエイティヴを製造業にまで高めることができれば、別のゴールが見えてくると塩田は語る。異端の扱いから脱却し、真っ当な雇用を生む職種として認められた、その先に。ものづくりの現場に加勢する、という未来図が。

たとえばポリゴン・ピクチュアズが日本版グーグルグラスをデザインする。そんなチャレンジがあってもいい、ということでしょうか——そう尋ねると塩田は静かにうなずいた。

「ぼくらのような存在が、製造業にクリエイティヴィティをフィードバックすることによって、もう一度日本が強くなれるかもしれない。最終的にはそういう目線で活動が実を結べば……日本の役にたてればいいな、と考えています」

それはまさしく、クリエイターが異業種から「引用される」存在になるということだろう。

量産型クリエイティヴの実践。産業人としての精進。高い目標を掲げ、大規模な雇用を維持するポリゴン・ピクチュアズ。彼らは緻密に連携する。集団の力を信じている。だからこそ価値観の違いや経験値の差を超える努力を惜しまない。時には業種を、あるいは国境すら飛び越えようと歯を食いしばる。そして改善。常に他者から何かを学ぼう、成長しようとする姿勢。

あらゆる場面において引用こそが源泉。引用は武器だ。そう語る経営者の視線は、やがて自分たちが「引用される」という未来を見据え、待ち望んでいる。

“つながり”とは何かを、2人の審査員と考える
〜「CREATIVE HACK AWARD 2014」のテーマを解題する、オープンセミナーを開催!

日本のクリエイティヴの未来を切り拓かんと活動を続ける人材に、次なるステップへと進むきっかけを与えるべく立ち上がった「CREATIVE HACK AWARD」

2014年のテーマである「コネクト “つながり”を発見し、改変せよ!」は、一体どのような問題意識から生まれたテーマなのか。そして、このテーマをどのように解題していけば、クリエイティヴを“ハック”し、未来へとつながっていくことになるのか。

この2つのモチーフについて審査員とともに考えるオープンセミナーを、このたびWIREDが開催。

クリエイティヴの未来を担わんと志す方々、あるいはクリエイティヴの行く末にご興味がある方々も、奮ってご参加ください。

お申し込みは、こちらから。

<開催概要>
日時:7月24日(木) 20:30~22:00(20:15会場)

登壇者:
笠島久嗣(イアリンジャパン取締役プロデューサー)
佐々木康晴(電通エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)
若林恵(『WIRED』日本版 編集長)、小谷知也(『WIRED』日本版 エディター)

会場:デジタルハリウッド 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア内  http://www.dhw.co.jp/company/access/

参加費: 無料/要事前予約(※事前予約なしで当日来場された場合、立ち見になる場合もございます)

定員:120名

応募締切:2014年7月21日(月)24:00(定員になり次第締め切らせていただきます)

※ご来場者多数の場合、お立見の可能性がございます。
※ご応募には「WIRED ID」へのご登録が必須となります。
※ご予約ご本人様1名様のご招待とさせていただきます。
※当選権の転売・譲渡は一切お断りいたします。
※当日の模様は、コンデナスト・ジャパンの広報活動(コンデナスト・ジャパンのウェブサイトや広報誌への掲載、雑誌、新聞等への情報提供)および社内コミュニケーション(紙およびその他の媒体を含む)に掲載される場合がございますので、ご了承のうえお申し込みください。
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