国際【張真晟氏特別寄稿】「特別委」は目くらまし 犯罪者が自分の犯罪を再調査する愚行+(3/3ページ)(2014.7.5 10:00

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【張真晟氏特別寄稿】
「特別委」は目くらまし 犯罪者が自分の犯罪を再調査する愚行

2014.7.5 10:00 (3/3ページ)

 北朝鮮はなぜ日本との対話を再開したのか? 理由は核廃棄への中国の圧力のためだ。張成沢(チャン・ソンテク)処刑で中朝関係は明らかに変わった。北朝鮮がロシアとの関係強化を望むのも、張成沢処刑に対する中国の怒りが党組織指導部への潜在的威嚇になっているからだ。

 こうした環境で日本側は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)本部を競売に掛け、政治的、心理的に優位にあった。ところが、拉致被害再調査という時間と弁解の機会を北朝鮮側に提供し、日本自らがこれに拘束されるという誤りを犯した。一言でいえば、犯罪者に自分の犯罪の再調査を求めるという世にもまれな特別免罪符を与えてしまった。

 日本は、対南工作部署を交渉に引き出して直接対話を行う方式を取るべきだったのだ。それでこそ議題を最初から、全員帰還か否かという攻撃的な次元で主導することができた。

 北朝鮮は犯罪の代価を要求している。この間の拉致被害者家族の皆さんの心情を思うと、この文を書く私の心は重い。

【プロフィル】張真晟 チャン・ジンソン 北朝鮮・金日成総合大学卒。元朝鮮労働党統一戦線部(対南工作部門)幹部で2004年に脱北。北朝鮮の権力実態に詳しいウオッチャーとして注目されている。日本人拉致問題にも関心を寄せ、「救う会」のセミナーに参加し被害者家族との交流もある。

 ◇張真晟氏メルマガ発刊中

 張氏が運営する北朝鮮情報サイト「NEW FOCUS」のコンテンツを精選して邦訳したメールマガジン「張真晟の北朝鮮コンフィデンシャル New Focus」(毎週金曜日)が発刊中です。発行は産経デジタル。詳しくはwww.mag2.com/m/0001619334.htmlへ。

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