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 築地場外市場(東京都中央区)は、隣り合う東京都中央卸売市場(場内市場)とともに首都圏の台所を支えてきた。だが、場内市場の移転が早ければ2年後に迫るなか、いまの場所での存続を決めている場外市場は、生き残りをかけて試行錯誤を重ねている。

 10日午前、台風8号が近づくなか、「場外」の狭い路地は食材を求める観光客があふれた。間を縫うように荷を運ぶ築地名物の三輪車「ターレ」が走り抜ける。宮城県石巻市から来た主婦松川裕子さん(50)は「昔ながらの風情を残しながら、活気のあるまちですね」。

 場外は1日平均2万4千人、土曜日には3万9千人が訪れる一大観光地だ。元々は「場内」に鮮魚を買い出しに来た料理人が加工品や乾物を求める問屋街だった。マグロを切り分けるパフォーマンスで知られるすし店「すしざんまい」が2001年に進出したのを皮切りに海鮮丼などの外食店が急増。場内のマグロの競りが外国人観光客の人気を呼んだことも手伝い、観光地化が進んだ。

 この状況を地元も「バブル」とみる。築地ブランドが「場外価格」と呼ばれる高い値段を支える。地元の物件を扱う築地不動産サービスは「人通りの多い通りだと家賃は坪当たり7万円。銀座にひけをとらない」。

 だが「プロ」の買い出しは、全国的な飲食店のチェーン化などのあおりを受け減少傾向だ。三つある商工組合の一つが11年10月に実施したアンケートによると、全体の7割の店が売り上げが減ったと答えた。