119番通報の内容を盗聴し、死亡した人の自宅などに先に到着して、遺体を運搬し金を稼いだ葬祭業者や盗聴専門業者が警察に検挙された。蔚山地方警察庁は10日、盗聴専門業者のP容疑者(41)を逮捕するとともに、葬祭業者のL容疑者(46)とH容疑者(43)を書類送検した。
警察によると、P容疑者は今年初め、消防署の無線通信の内容を聞くことができる盗聴器1台とスマートフォン(多機能携帯電話端末)1台をくくりつけて箱に入れ、人通りの少ない場所などに隠し、自宅からスマートフォンに随時電話をかけて、無線通信の内容を盗聴したという。
L容疑者とH容疑者は、死亡した人の位置情報をP容疑者から知らされると、民間救急車を利用してほかの葬祭業者よりも先に遺体を引き受け、自分たちの運営する葬祭場に運んで葬儀を行ったり、遺族が希望する葬祭場に運んで金を受け取ったりした。
容疑者らはこのような行為を十数回繰り返したが、変死体が見つかった現場に真っ先に到着するのを不審に思った警察の捜査で御用となった。
警察は「P容疑者は釜山市内で同様の犯行により逮捕・起訴され、懲役刑が確定して服役し、昨年末に出所した後、再び犯行を主導した。以前の犯行の際には盗聴器を自宅に置いていたが、警察の捜索で犯行がばれたため、今回は自宅から離れた場所に盗聴器を隠すという手口を使ったことが分かった」と説明した。