ベネッセ顧客情報、売られていた ジャストシステムが業者から購入「流出情報とは知らなかった」

2014年7月11日6時0分  スポーツ報知

 ベネッセ関係者や文献社関係者によると、ジャストシステムが発送していたDMにはベネッセにしか登録がないはずの個人情報が記載されていた。不審に思った顧客から問い合わせを受けてベネッセが調査したところ、流出が判明した。

 個人情報は流出元のサーバーからUSBメモリーなどの記憶媒体にコピーされ、持ち出された可能性が高いことが捜査関係者への取材で判明。ベネッセは社員以外の内部関係者が不正に持ち出したとしており、警視庁は何者かが営業秘密を複製して持ち出したとみて、不正競争防止法違反の疑いで捜査している。

 文献社の説明によると、今年1月下旬にジャスト社から「全国の小中学生の名簿が欲しい」と依頼があり、文献社が作成した児童・保護者の氏名や連絡先などが記載された約160万件のリストを2~3月に納品した。

 その後、ジャスト社から、さらに追加の要請を受け、別の名簿業者が持つリストの購入を検討。だが、出所が明確でなかったため、ジャスト社と相談の上「このリストは使えない」との認識で一致した。しかし、後になってジャスト社から購入希望が伝えられ、5月中旬に約200万件のリストを転売したという。文献社に販売した東京都武蔵野市の「パン・ワールド」も「別の業者から買った」と説明している。

 文献社の担当者は「使うべきではなかった」と説明。ただ「うちもジャスト社もベネッセのデータとは知らなかった」としている。一方、ジャスト社は「ベネッセから流出した個人情報を当社が悪意を持って利用したかのような報道がなされているが、流出情報と認識した上で利用した事実は一切ない。適切な手順や方法を取っている」とのコメントを出した。

 ベネッセによると、約760万件の情報流出が確定しており、最大では約2070万件に上る可能性がある。昨年、ヤフーが最大2200万件のユーザーID流出を公表したのと並んで国内史上最大規模の流出件数となる恐れがある。

 ベネッセが9日に顧客情報の流出を公表して以降、顧客から問い合わせの電話が相次ぎ、9日午後8時時点で約4500件に。10日も抗議の電話などが相次いでいた。

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