管理委託の外部業者が個人情報流出か7月11日 12時05分
「ベネッセコーポレーション」の通信教育サービスを利用している顧客の個人情報、およそ760万件が流出した問題で、データベースの保守管理はグループ会社が委託した外部の業者が行っていたことが、警視庁などへの取材で分かりました。
データベースへのアクセス権限は業者の中でも限られた担当者にしか与えられておらず、警視庁はこうした人物が流出させた疑いがあるとみて調べています。
この問題は、ベネッセコーポレーションの通信教育サービスを利用している顧客の子どもや保護者の名前や住所など、およそ760万件の個人情報が流出したもので、流出した個人情報は最大でおよそ2070万件に上る可能性があるとみられています。
警視庁は、企業の営業秘密に当たる顧客の個人情報を何者かが外部に流出させたとみて、不正競争防止法違反の疑いで捜査していますが、顧客データベースの保守管理は本社から委託を受けたベネッセのグループ会社が、外部の業者に再委託していたことが警視庁などへの取材で分かりました。
データベースへのアクセス権限は、業者の中でも一部の担当者にしか与えられていなかったということです。
ベネッセによりますと、データベースに不正にアクセスされた形跡はないということで、警視庁は、こうした外部業者の担当者が情報を記憶媒体にコピーするなどして持ち出し、流出させた疑いがあるとみて調べています。
茂木経済産業大臣 業界団体に対策強化を要請へ
「ベネッセコーポレーション」の通信教育サービスなどの利用者の個人情報が大量に流出した問題について、茂木経済産業大臣は11日の閣議のあとの記者会見で「誠に遺憾だ」と述べたうえで、ベネッセに対して信頼の回復に向けて全力で取り組むよう求めました。
記者会見の中で、茂木経済産業大臣は「小中学生の情報も含んだ760万件におよぶ個人情報が流出したことは誠に遺憾だ。多くの保護者や国民が不安を抱いている」と述べたうえで、ベネッセに対し、信頼の回復に向けて原因究明や再発の防止などに全力で取り組むよう求めました。
さらに茂木大臣は今回の問題をきっかけに、学習塾や通信販売の業界団体に対して、個人情報の適切な管理の徹底を要請するほか、企業秘密にあたる情報が外部に持ち出されることがないよう対策の強化を広く呼びかける考えを示しました。
この問題で、経済産業省は10日、「ベネッセコーポレーション」に対し、個人情報保護法に基づいて、詳しい事実関係と、再発防止に向けた取り組みなどを今月17日までに報告するよう求めています。
菅官房長官 個人情報保護法改正する考え
菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「子どもの情報を含む、760万件におよぶ個人情報が流出したことは誠に遺憾だ。多くの保護者や国民が不安を抱いており、ベネッセにおいては早急に原因究明を行い、これ以上の情報の流出を食い止めるとともに、再発防止や顧客の信頼回復に全力で取り組むことが必要だ」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、「現行の個人情報保護法では、情報流出の被害を受けた個人が申し立てをすれば情報を消去できる手続きになっているが、全体を消去できるわけではない。個人情報保護法の改正が検討課題の1つになっているが、このような事件も発生しているので、改正という方向で考えていきたい」と述べ、来年の通常国会で、個人情報保護法を改正したいという考えを示しました。
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