産廃処分用地買収へ 嬉野市
2014年07月08日 10時03分
嬉野市は、嬉野町岩屋川内のダム上流にある産業廃棄物の最終処分場と敷地を1億4930万円で業者から買収する方針を決めた。住民が処分場拡張に反対し買い取りを求め、市は環境保全と温泉観光地のイメージを守るため必要と判断した。市土地開発公社が先行取得する関連予算案を7日の臨時市議会に提案し、賛成多数で可決された。取得する土地の用途は未定で、市は水源として土地を保護する条例制定を検討している。
購入する土地は治水ダム上流4キロにある山間部の3万5744平方メートル。「肥前環境」(嬉野市)が所有し、約1万6千平方メートルを処分場として使っている。
1992年に、別の産廃業者が地元地権者から購入し、プラスチックやゴム、金属くずなどの最終処分場とする認可を県から受けた。その後、産廃業者間で転売され、肥前環境は2007年9月、取得した。今年9月の認可更新に合わせ、処分場の拡張計画について11年末と12年5月の2回、住民説明会を開いたが、住民側は「埋めている物が安全か心配」と反対し、市に買い取りを求めていた。
土地の下流5・5キロには浄水場がある。業者は当初約3億5千万円での買い取りを求めていたが、市は1千万円程度の評価とみて、業者の逸失利益などを加味し交渉した。
同公社の理事長を務める中島庸二副市長は「住民の不安を取り除く必要があった。土地の使い道については早急に検討したい」と話している。