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ピュー・リサーチ・センターの調査によると、アメリカ人の33%が進化論を信じておらず、26%が地球温暖化を否定しているそうだ。これらを信じるか信じないかは、個人の信条、宗教や支持する政党によって大きく異なる。例えば、地球温暖化に関しては、共和党支持者の46%が否定するが、民主党支持者でこれを否定する人の割合は11%である。
アメリカの研究者らがこの件に関しての研究を行ったところ、人は、どんなに科学的根拠を積み上げて説得していっても、信じたくないものは信じないということがわかった。
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コネチカット州、エール法科大学院の教授、ダン・カーハン氏率いる研究チームは、信仰心のあつい人とそうでもない人に、進化論を信じるか?信じないかに関する調査を行った。次に進化論についての知識に関するテストを行った。
その結果、信仰心のあつい人もそうでもない人の科学的知識に差がないことがわかった。また、例え正しい知識を持ち合わせていても、信仰心のあつい人は進化論を否定する傾向が強いこともわかった。これは何を意味するか?人は例え真実を知っていたとしても、信じたくないものは信じないのだ。
世の中の多くの人々は、実際には思っているより科学的根拠に基づく知識を持っている。ただしそれが自分の理念や信条、政治的・宗教的な見解とぶつかるような場合には、それを認めたくないのだ。
大量破壊兵器やワクチン問題、健康被害などについて話す時もそうだ。科学的証拠をどんなに突きつけたところでそれが逆効果になり、頑なに自分の信じていることを曲げない人がいる。人は、事実がどうであるかよりも、自分の立場が大切なのだ。カーハン氏の今回の研究は、人がなぜそうなるかについての理解を深めるのに役立つかもしれない。
「我々のアイデンティティと、”科学的な根拠に基づく真実”、を切り離して考えればよいのだ。例えば、ボブ・イングリス共和党前議員や、福音派のキリスト教徒であり気象学者であるキャサリン・ヘイホーのように、アイデンティティと関係なく、人間がこの温暖化をもたらしていると信じることはできる。」
「それにはまず最初に、政治的、宗教的指導者や発言力を持った著名人が、間違った情報を拡散するのを減らす必要がある。」カーハン氏はそう語る。
一度文化的、政治的な視点ができあがってしまうと、例え事実がどうであろうと、それがどのようなメッセージに使われている場合でも、人々の信念を元の白紙状態に戻すことはとても難しいのだ。
もっとも問題なのが、普通に生活を送る一般市民が、自らの価値観や理念に関係した問題に、特定のアイデンティティをもつ団体が下心をもって関与してくるということだ。
これらの団体は、大衆を動員し、大衆の利益の代弁者のようにふるまうが、これは偏極した時代の最も有毒な副産物であり、「事実」を隠ぺいしている場合もある。
残念ながら現状では、科学的根拠に基づく真実を知ったところで、結局のところは真実を信じていることの代用にはならない。via:nytimes・原文翻訳:LK
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