LINEとディスコは、4月から高校生に進学情報を配信するLINE公式アカウント「LINE進学」を提供している。サービス開始から3カ月が経ち、利用者を表すフレンドの数は350万を超えるなど出だしは好調だという。
「LINE進学」
LINE進学は、高校生に対して全国の大学や短大、専門学校の情報を配信し、各学校の「LINE@」や資料請求に誘導するサービス。学生が気になる大学や専門学校を友だちに追加すると、その学校からオープンキャンパスや体験入学の情報が送られてくる。地域や興味分野から学校を検索することも可能だ。
「LINEのアクティブユーザーは10~20代が最も多く、若年層向けに何かできないかと思っていた。その中で、彼らが必ず通る『進学』という切り口がいいのではないかと考えた」――LINE Business Partners代表取締役社長の長福久弘氏は、サービス提供のきっかけをこのように語る。
一方、人材採用サービスを手がけるディスコでは「日経就職ナビ」などのサービスは提供していたが、より若い高校生などにダイレクトにアプローチできる施策を模索していたと、同社の事業推進部 教育機関メディア開発部 部長の本間真氏は語る。この両者のニーズが一致し、LINE進学が生まれたのだという。
「自然」な形で進学情報を届ける
LINE進学の最大の強みは「高校生が日々使っているLINEに対して、自然な形でメッセージを届けられること」だと長福氏は語る。これまで高校生は自分で進学情報サイトへ行ったり、各学校のサイトで情報を集めたりしなければならなかったが、今後はLINE進学で興味のある学校を友だちに追加するだけで、1年を通して情報を得ることができる。
学校側も、LINEを使いこなす高校生に違和感なく読んでもらうための工夫が求められる。本間氏によれば、ただ事務的な内容を送るより、フランクな言葉使いをしたり、学園祭や校内の写真を送ったりするなど、学校に親しみが持てる内容が好まれる傾向にあるという。そのため、職員より彼らに感覚が近い大学や専門学校の在校生をアルバイトで雇って情報を発信している学校もあるそうだ。
「学生もアドバイスは欲しいけれど、押しつけられたくはない。また送りすぎてもいけないので、学校には2週間に1回くらいの頻度にするよう伝えている。」(本間氏)。
LINE進学には現在、約1000校の情報が掲載されており、このうち高校生に情報を配信できる「LINE@」には約800校が参画しているという。ディスコでは、生徒からの資料請求を一つの指標にしているが、キャンペーンを展開したこともあり、開始からわずか1カ月で1年分の資料請求があったのだという。「学校からディスコ経由での問い合わせがすごいと大きな反響をいただいている」(本間氏)。
また 長福氏は「この大学に行きたいと決まっている人はいいが、そうではない人も多い。そういう意味ではLINE進学が学校への“入り口”になる。生活の中で、LINEを通じて『こんな学校があるんだ』と気づいてほしい」と語り、 今後は資料請求だけでなく、リアルと連携したO2Oのような施策も考えたいとした。
2013年秋に教育機関向けにLINE進学の参加校を募る説明会を日本各地で開催したところ、東京会場では100校以上が参加するなど好評だったという。そこでディスコでは、7月18日に東京で、7月23日に大阪で、教育機関の入試・広報担当者向けのセミナー「学生募集のためのLINEの利用動向とLINE@の活用事例」を開催する予定だ。