エスピリト・サント銀の株と社債が下落、親会社の返済見送りで
7月10日(ブルームバーグ):ポルトガルのエスピリト・サント銀 行の株価と社債相場が10日、続落した。親会社が債務返済を履行しなかったことで不安が広がっている。
株価は17%以上の下げとなり取引が停止された。社債は過去最安値を更新した。親会社のエスピリト・サント・インターナショナルが短期債務の償還を見送った。ポルトガル銀行(中央銀行)はエスピリト・サント銀は「感染リスク」を避けることができると市場の不安払拭(ふっしょく)に努めたものの、投資家は安心できないでいる。
エスピリト・サント銀株の25%を保有するエスピリト・サント・フィナンシャル・グループ(ESFG)はこの日、同社の株式と社債の取引を停止した。エスピリト・サント・インターナショナルに対する「エクスポージャーの財務への影響を判断しようとしている」と説明した。
エスピリト・サント・インターナショナルのコマーシャルペーパー(CP)での損失に直面した投資家はエスピリト・サント銀に賠償を求める可能性があると、バンク・オブ・アメリカ(BOA)がリポートで指摘している。
銀行が依然として脆弱(ぜいじゃく)であるとの懸念から、この日はポルトガル債を中心にユーロ圏の周辺国債が売られている。
GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ミラー氏は顧客向けリポートで、「ポルトガルの状況がさらに悪化する場合、リスク回避志向は急速に他のユーロ圏諸国の国債や他の資産クラスに広がり得る」と指摘した。
エスピリト・サント銀の劣後債(表面利率7.125%、2023年11月償還)は一時額面1ユーロに対し0.067ユーロ下げ0.829ユーロとなり、利回りは過去最高の9.79%を付けた。ブルームバーグのデータが示した。ポルトガル10年債の利回りは22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.99%となった。
バンク・プリベ・エスピリト・サントは8日、親会社のエスピリト・サント・インターナショナルが発行した短期証券の一部について償還が遅れるとし、影響があるのは少数の顧客のみだと説明。ポルトガル紙エスプレッソによると、一部顧客は当該のCPを株式と期間長めの新規証券に交換することを求められた。
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更新日時: 2014/07/11 06:30 JST