「NTTドコモの新料金プランへの即応はやめた」「VoLTE導入のタイミングで料金を徹底的にやりたい」――。4月30日の決算会見の席でこのように発言していたKDDIの田中孝司社長が前言を翻す形になった(関連記事:KDDIのVoLTEは3Gへのフォールバックなしの仕様に、田中社長が明かす)。
6月25日に突然、KDDIが新料金プランを発表したからだ(関連記事:KDDIが新料金プラン「カケホとデジラ」を発表、大容量では他社より割安に、写真1)。
携帯大手3社の中で新料金プランの発表はKDDIが最後発。後出しジャンケンができるポジションだが、そこには満を持してという印象は無かった。6月25日の会見は、どこか突貫工事で間に合わせたという印象を受ける内容だったからだ。
例えば同社の新料金プランの発表会場となったのは、自前設備といえる東京大手町のKDDIホール。普段、同社が新サービスを発表する際には、ホテルで派手な会見をするのが常であり、大慌てで会場を確保した様子がうかがえる。
また他社との差異化ポイントとしてアピールした家族間でデータを贈りあえる「データギフト」機能は、新料金プラン開始の8月13日には間に合わず、12月開始というちぐはぐ感。実際のところ「カケホとデジラ」という新料金プランのサービス名も、発表直前の6月20日に決めたというのだから、やはり突貫工事だったのだろう。