ゲームセンターのお仕事!【第1回】

第1回 「インカム」について語る

高田馬場ゲーセンミカドの店長、イケダミノロックです!

コラムの依頼を受けたのですが、所詮僕はいち個人経営のゲーセン店長、何を書こうかな? と考えた結果、いままであんまり語られることのなかった 「ゲームセンターのお仕事」 について定期的に原稿を書こうかと決めました。個人経営ゲームセンターの裏側で何が行なわれているか?(お店によってもだいぶちがうと思いますが) 僕の経験を赤裸々に語りたいと思います!

第1回目はわかりやすさ重視ということで、「インカム」についてです!

「勘」を支える「インカム」の存在

ビデオゲーム中心のゲームセンターって自分のお店で稼動しているタイトルをどのように選択しているか疑問を持ったことはないでしょうか? 結論を言います、稼動タイトルの選定は最終的に店員さんの「勘」です。もちろん「勘」といってもある程度の裏付けがあります。

「お客様からのリクエスト」 「近隣競合店舗リサーチの結果」 「WEB上での評判、コミュニティの有無」 といった情報収集を基点とし、お店の方針によって裏付けはさまざまかと思います。

情報収集してるんだから「勘」とはちがうのでは? と思ったかたもいるかもしれません。確かにそのとおりなのですが、「いける!」と思ったゲームが予想に反して全然だめだったり、「とりあえず」とか故障機の替わりに「やむを得ず」稼動したゲームが馬鹿みたいに高インカムを叩き出したりと、結局は稼動してみるまでわからないことが多いので僕はある程度の「裏付けにもとづく勘」と、ここでは定義させて頂きます (コアなゲームファンや少しでもゲームセンターの運営や経営にたずさわったかたなら、このニュアンスを共感していただけると思います)。

ではつぎに、ゲームが撤去される基準はいかなる理由が考えられるでしょうか。こちらも結論から言うと、「インカム」です。まずは、ご覧いただこう(なんとかビデオみたいに……)。

※スマートフォンは拡大または横画面でご覧いただくと見やすくなります。

インカム表

インカムとはゲームセンターでお客様が遊んだ際にゲーム機に入った「お金」つまり「売上」です。売上の数字が高ければそのゲームはお店を運営するにあたり貢献度が高く、低ければ貢献度が低い(つまり撤去/入替につながる)ということになります。

なお撤去か続投かの判断はお店によって基準がことなります。大雑把なたとえですが、100台の汎用ビデオゲーム筐体(アストロシティとかブラストシティとかあの手の筐体のことです)が稼動しているAとB、ふたつのお店があると仮定します。Aは駅前にあるので家賃が高く1か月100万円です。一方、Bは少し郊外にあるため1か月の賃料が20万円とします。

この場合、同じようなラインナップのお店だとしても前者は維持するのがBよりも大変なのは明白で、当然、ゲームタイトルに期待する「インカム=貢献度」の数字目標はAのほうが高くなるというわけです。

<次ページにつづく>

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