はじめまして。日経ビジネスには初登場かと思いますので、ごく簡単に株式会社マックスファクトリーさんと、MAX渡辺さんの自己紹介をお願いできますか。
渡辺:よろしくお願いします。マックスファクトリーは玩具の企画・制作・製造の会社で、キャラクターものの「フィギュア」が主力商品になりますが、今回初めてプラモデルに参入しました。もともと私はモデラー(プラモデルを作る人)でして、ホビー雑誌でガンダムのプラモデル作例を作る仕事から始まって、現在に至ります。
ありがとうございます。ちなみに一番メイン層のお客様の年齢とかってだいたいつかんでいらっしゃいますか?
渡辺:うちの場合は、下は20代前半。上になるとやはり今回「ダグラム」を入れたことによって50代も入ってきましたけど、メインということで言うならば20代の中盤あたりから30代の中盤ぐらいがボリュームゾーンだと思います。
さて、今回は御社が発売した「太陽の牙ダグラム」のプラモデルがヒット中とお聞きしてお邪魔しました。このタイトルは懐かしい。当サイトで連載していた「アンチ天才の“ボトムズ流”仕事術」の高橋良輔さんの監督作品ですね。
渡辺:経済誌さんの取材は初めてでして。ダグラムは、どう話したらいいのか難しいんですけれども…。
できるだけぶっちゃけて素直にお話し頂ければ。
放映当時は、ガンダムどころではない成功作
渡辺:はい、どうせすぐ地がでてしまいますので(笑)。まずこの「太陽の牙ダグラム」(1981年10月〜83年3月放映、日本サンライズ制作、以下同)という作品は、当時タカラさんがプラモデルシリーズを展開していたんですが、プラモデルのコンテンツとして非常に成功したタイトルだと言っていいと思うんですね。
今ですと、ロボットアニメのプラモデルといえば「ガンプラ」ですが。
渡辺:そうですね。でもガンダムは実はプラモデル向きに作ったマーチャンダイジング(MD)でも何でもなくて、あれはもともとは玩具が……。
クローバー(83年倒産)さんの。
渡辺:そうそう、もとは玩具向けの企画だったわけですよね。
バンダイの「超合金」を始め、当時は玩具のMDとしてアニメを作るのが当たり前でした。
渡辺:サンライズさんは、作品、番組自体がその商品の広告であるというのが、もうストレートにそのまま出ている会社なんですけど、「ガンダム(機動戦士ガンダム、79年4月〜80年1月放映)」は玩具向けとしてスタートしたけれどいまひとつで、バンダイさんがプラモデルにしたら大ヒットしました。その余波というか、「これはいける」ということで、今度はタカラが手掛けた、完全にプラモデルを作るために用意したタイトルなんですよ。
そうか、はなからプラモデル向けの企画なんですね。そう考えるとあのロボットデザインや話の展開もいろいろ納得がいく。メカ単体よりジオラマ映えする、というか。