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独 スパイ疑惑の米外交官を国外退去に
7月11日 8時05分

ドイツ政府は国内でスパイ疑惑が相次いで明らかになったことを受けて、首都ベルリンのアメリカ大使館に勤務する情報部門の外交官に国外退去を命じたと発表し、盗聴問題でぎくしゃくしたドイツとアメリカの関係が、さらに冷え込むのは避けられない情勢です。

これはドイツ政府が10日、声明で発表したもので、ベルリンのアメリカ大使館に勤務し、情報部門の責任者を務める外交官に対し、国外退去を命じました。
ドイツメディアによりますと、この外交官はアメリカのCIA=中央情報局に所属し、一連のスパイ行為でドイツ政府や議会の機密情報を入手していたということです。
ドイツでは、アメリカによる情報収集問題を調査する議会の内部情報をアメリカ側に提供したとしてドイツの情報機関の職員が今月3日に逮捕されたほか、ドイツ国防省の関係者がアメリカのためにスパイ活動をしていた疑いも浮上しています。
今回の措置はこうしたアメリカによる一連のスパイ疑惑を受けたもので、メルケル首相は10日、ベルリンで開いた記者会見で、「同盟国に対するスパイ行為は労力のむだにすぎない」と述べ、アメリカを強く非難しました。
ドイツが同盟国の外交官に国外退去を命じるのは異例のことで、メルケル首相の携帯電話の盗聴問題でぎくしゃくしたアメリカとドイツの関係が、さらに冷え込むのは避けられない情勢です。

米「対話通じ関係改善図る」

ドイツの首都ベルリンのアメリカ大使館に勤務する情報部門の外交官が国外退去を命じられたことについて、アメリカ国務省のサキ報道官は10日の記者会見で、情報収集活動に関わることにはコメントしないとして確認を避けました。
そのうえで、「この数か月間、ドイツとはさまざまな場で話し合いを続けてきたし、今後も外交ルートを通じて話し合っていくつもりだ」と述べ、相次ぐスパイ疑惑でぎくしゃくしているドイツとの関係を、対話を通じて改善したいという考えを示しました。

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