前進するために必要なのは、「勇気」「自信」「コントロール」

印南敦史 | ライター
2014.07.11 07:30

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行動する勇気』(杉山大輔著、フォレスト出版)の著者は、若くしてベンチャー経営歴15年の実積を持つだけでなく、元ソニーCEOの出井伸之氏に抜擢され、クオンタムリープ株式会社執行役社長に就任したという人物。

本書はそんな経験に基づき、タイトルどおり「行動する」ことの大切さについてつづった書籍。「はじめに」では「幸運は、行動することによってのみ、つかめるもの」とも記しています。では、そのためにすべきこととは? きょうは第3章「『前へ!』進むために必要な3C」に目を向けてみましょう

           

勇気 Courage


著者はここで、キャリアをきちんと積みながら、これからの社会を生き抜くために欠かせないのは「3つのC」(「勇気(Courage)、「自信(Confidence)」、「コントロール(Control)」だと断言しています。

まずは勇気。ますますグローバル化する社会にあっては、手を上げて自分が正しいと思うことを発言したり、行動したりする勇気、そしてときには断る勇気が不可欠だという考え方です。


自分の夢ややりたいことがあるなら、断然、初志貫徹をおすすめします。(89ページより)


もちろん、誰かに夢を話した場合、反対意見や否定的なことばが返ってくる場合もあるでしょう。しかし、そういう人は「変化を受け入れられない人」「変化に対応できない人」である場合がほとんど。でも、「夢を追いかけている以上は、変化を恐れないことが不可欠」だからこそ、著者は変化を受け入れられない人からの意見には耳をふさぐのだとか。

なぜなら、色んな人の意見を聞くことはとても大切だけれども、「なにをしてきた人の意見か」がもっと重要だから。意見によっては、「聞かない勇気」を持つこともまた必要だというわけです。

そして同時に、やると言ったことは、責任を持って行動に移す。その積み重ねが、結果的に信頼へとつながっていくといいます。(88ページより)


自信 Confidence


世のなかにはいろんな人がいるのだから、すべての人に気に入られて仕事することは不可能。いいだろうと思ってなにかを提案すると、ある人は共感し、ある人からは「イマイチ」だという答えが返ってくるのが当然。だから著者は、自分に共感してくれる人を、きちんと固めていこうと考えているそうです。

日本人は、大多数が認めることをいいことだと思ってしまいがち。けれども、ガイドブックに載らないレストランでも、いい店はあるもの。つまり他人の基準ではなく、自分の基準を持つことが大切だという考え方。そして自信を持ってやれば、共感する人が必ず出てくる。そこで自信を持って仕事に臨み、共感者を増やしていくことが大切だといいます。(101ページより)


コントロール Control


計画を立てることは大切。そう考える著者は24歳のとき、30歳までにすることとして次のような人生計画を立てたそうです。


子どもは3人ほしい
ビジネスについてしっかり勉強して会社を経営する
自分の会社を持って人から喜ばれることをする
時間を自分でコントロールできるライフスタイルにする
(103ページより)


ざっくりとセルフ・ブランディングをして、それに向かってどう行動するかを考えたということ。そして結果的には、ほとんどが予定どおりに進んでいるといいます。なかでも大切なのは、自分をコントロールすること。具体的にいえば、寝る時間が毎日違うとしても、朝起きる時間を一定にすると、生活のリズムがきちんとできるとか。

なにか頼まれたとき、「忙しくて時間がない」と答える人は少なくないもの。しかし工夫次第では、時間を生み出すことができると著者は主張しています。その基本は、スキマ時間を有効に活用すること。

事実、著者も、「結婚式の打ち合わせのとき、待ち時間に1人になれる部屋を取ってもらい、空いた時間に学校の課題を解いた」「分娩室では妻が苦しそうなときは背中をさすり、息が落ち着くと勉強」など、1分1秒を無駄にしないように、勉強できるものをいつも持ち歩いていたのだといいます。

忙しくても時間はつくれるもの。自分がそれまで最高に忙しかった時期を思い浮かべたり、「ジャニーズの◯◯よりは忙しくないだろう」とか「AKBよりは、まだ時間があるだろう」など、有名人と自分をくらべてみたりすると、時間はけっこうあると思えてくるそうです。(103ページより)



大切なのは、小さな一歩を大きな成功へと育てていくこと。本書に目を通してみれば、それがいかに大切であるかということが実感できるかもしれません。


(印南敦史)

  • 行動する勇気
  • 杉山大輔|フォレスト出版
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