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【正論】少子化が進む成長戦略にするな 麗澤大学教授・八木秀次
東京都議会のセクハラやじ問題は、外国メディアにも報道されたことで、日本は女性の人権を軽視する野蛮な国であるとの「日本たたき」の道具に利用された。新聞もテレビも、「ポリティカル・コレクトネス(PC、政治的正しさ)」順守で硬直化しているせいか、もはやきれい事しか述べなくなっている。
≪非婚化、晩婚化食い止めよ≫
やじは品位に欠け、決して擁護するつもりはないが、やじを発した議員の真意は、少子化問題が深刻化する中で、独身の女性議員に対し、少子化対策の一般論を述べるのも結構だが、自分が結婚して子供を産んではどうか、と言いたかったのではないか。
もちろん、さまざまな事情で結婚-妊娠-出産できない女性も存在し、やじはその点に対する配慮に欠ける。だが、深刻化する少子化という背景を捨象して、発言だけを問題視することには違和感を覚える。
少子化対策は、今日のわが国の最大の課題といっていい。
「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」(座長・増田寛也元総務相)が5月に発表した試算は衝撃的な内容だった。超少子化と東京への一極集中によって2040年には全国の約半数に当たる896自治体で、子供を産む中心世代である20~39歳の女性が5割以上も減少し、現在の教育・福祉など幅広い行政サービスの維持が難しくなるという。昨年の出生数も1899年以降最少の102万9800人にとどまっている。
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