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15年超IT系記者のプライドがポッキリ折れた話

2014/07/11
斉藤 栄太郎=日経コンピュータ (筆者執筆記事一覧

 「固定観念を捨てろ、既成事実や常識を疑え」。記者が新社会人としてこの仕事を始めた16年前、先輩記者から言われたのがこのセリフである。取材記事を書く際に、勝手な思い込みや事実誤認、重要事項の見落としなどがあってはならない。「とにかくあらゆることをまず疑ってかかれ。相手の言うことをうのみにするな。一次ソースに当たり、裏を取れ」。こう叩き込まれながらこれまでやってきた。

 「そんなに片っ端から疑ってかかったら、人間不信にならないか?」。こんな質問を受けることもあるが、記者からすればむしろ逆である。どんな人でも勘違いをすることはある。取材時に主張したいことをうまく伝えられず、誤解することを口走ってしまうケースもあるだろう。根拠とするデータがそもそも間違っている可能性だってある。そうした諸々の可能性を先回りして考え、フォローする。そして最終的には信じる。そこに人間不信など入る余地はない。

 実際に、このやり方でこれまでは十分うまくやってきたと自負している。もちろん、根掘り葉掘りの質問に立腹されて取材先とぶつかったことは何回かあるし、聞き間違いなどにより記事でミスをしたことも何度かある。しかし、取材相手にコロっとだまされたり、デタラメな発表内容をうのみにしたりして、あとから恥ずかしくなるような記事を出したことはないつもりだ。

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