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情報漏えい、記憶媒体にコピーか 警視庁、実態解明へ

 ベネッセコーポレーション本社=10日午後、岡山市北区

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 通信教育大手ベネッセコーポレーションの顧客情報流出問題で、大量のデータが流出元のサーバーからUSBメモリーなどの記憶媒体にコピーされ、持ち出された可能性が高いことが10日、捜査関係者への取材で分かった。

 警視庁は、何者かが営業秘密を複製して持ち出した疑いがあるとみて、データがサーバーからダウンロードされた痕跡がないか確認を進め、不正競争防止法違反の疑いで詳しい経緯を調べる方針。

 また、同社のデータとみられるリストをIT事業者のジャストシステム(徳島市)に販売した名簿業者「文献社」(東京都福生市)が、データの出所が不明と認識しながら転売していたことも同社への取材で判明。

 ベネッセは社員以外の内部関係者が不正に持ち出したとしており、警視庁は、名簿業者がベネッセのデータと認識していたかどうかなど流通経路の実態解明を進める。

 文献社の担当者は「使うべきではなかった。出所が明確ではないことはジャスト社も把握していた」と説明。ただ「うちもジャスト社もベネッセのデータとは知らなかった」としている。

 文献社の説明によると、今年1月下旬にジャスト社から「全国の小中学生の名簿が欲しい」と依頼があった。文献社は住民基本台帳などによって独自に作成した児童・保護者の氏名や連絡先などが記載された約160万件のリストを2〜3月に納品した。

 その後、ジャスト社から、さらに追加の要請を受け、別の名簿業者が持つリストの購入を検討。だが、出所が明確でなかったため、ジャスト社と相談の上「このリストは使えない」との認識で一致した。しかし、後になってジャスト社から購入希望が伝えられ、5月中旬にベネッセから流出したとみられる約200万件のリストを転売したという。

 ベネッセによると、流出した情報は最大で約2070万件に上る可能性がある。