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国際
【外信コラム】北京春秋 ひげ=悪役
2014.7.11 03:10
[外信コラム]
週末の夜、知人らと食事をしていたら、立派なひげを蓄えた客が店に入ってきた。それをきっかけに話題となったのが、中国では少数民族を別にして、あまりひげを伸ばしている人を見ないということだった。
歴代皇帝や唐代の詩人、「三国志演義」に登場する豪傑らの肖像画には、決まってひげが描かれている。辛亥革命を起こした政治家、孫文やその後継者、蒋介石も口ひげを生やしていた。漫画「キン肉マン」に登場するラーメンマンの「ドジョウひげ」も印象的だ。
それなのになぜひげが廃れたのか。同席していた中国人の知人は「ひげは旧日本軍の軍人のイメージがあるからだ。特に鼻の下のひげは伸ばさない」との説を唱えた。確かに共産党政権になってから、歴代指導者もみな、きれいにひげを剃(そ)っている。
「抗日戦争勝利」から70年となる来年を前に、中国では旧日本軍の資料や映像が続々公開されている。国営テレビも執拗(しつよう)に、反日感情をあおる番組を流している。それを安倍政権批判に結びつけるというのが、お決まりのパターンだ。
かくして中国国民の日本に対する印象はゆがめられていく。ひげの悪役イメージも増すだろう。ならば、あえてあごの無精ひげは剃るまい。生粋の天(あま)の邪鬼(じゃく)はそう思ってしまう。(川越一)
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