独政府、米大使館の情報担当官に国外退去命令-スパイ疑惑で
7月10日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル政権はスパイ行為疑惑をめぐり、在ドイツ米大使館の情報機関責任者に国外退去を命じた。メルケル首相の側近の1人は、この問題が政治的に「深刻」な悪影響をもたらしていると述べており、独米間の緊張が高まりそうだ。
独連邦首相府は10日、電子メールで声明を発表し、連邦検察庁によるスパイ行為の捜査が始まったため、この情報機関責任者は国外退去を求められたと説明した。
ザイベルト独政府報道官は声明で、「独政府はこれらの行為を極めて深刻に受け止めている」と指摘。米国との信頼関係はドイツにとって今後も「不可欠」だとしながらも、「そのためには相互の信頼と率直さが必要だ」と続けた。
ドイツの議員らは10日ベルリンで、捜査当局から2件のスパイ疑惑について説明を受けた。一つは独連邦情報局(BND)の職員(31)が関わっており、機密文書を持ち出した疑いが持たれている。また独誌シュピーゲルのオンライン版によると、2つ目は国防省の職員が関係しているという。
デメジエール独内相は声明で、これまで分かったことに基づくと「今回疑われているスパイ行為を通じて漏れた情報は取るに足らない」とした上で、「一方で政治的なダメージは極めて大きく、深刻だ」と付け加えた。
原題:Germany Expels U.S. Intelligence Envoy on SpyingAllegations (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net
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更新日時: 2014/07/11 02:20 JST