4半期報告をするイングランド銀行のカーニー総裁。英国のインフレ率はどうなるか(ロイター/アフロ)

ドル円相場は現在膠着状態だが、いま先進国通貨の中で、最も強い通貨といえばポンドだろう。ポンド/ドル相場は7月4日に一時1ポンド=1.7180ドルと、2008年10月以来の高水準までポンド高が進んだ。過去1年間の対ドル上昇率もプラス13.9%とG10通貨のなかで最も通貨高が進んでいる。

イングランド銀、いよいよ利上げへ?

こうしたポンド高の背景には、(1)堅調な景気回復(2)BoE(イングランド銀行)のタカ派シフトがある。こうした要因を背景とする英米金利差の拡大が、ポンド/ドル相場を押し上げてきた。

少し詳しく見てみよう。第1の「堅調な英国経済の景気回復」だが、総合PMIでみた企業の景況感は、2013年後半に急上昇した後、60前後の高水準での推移を続けている。また、住宅市場の反発による資産効果が個人消費を押し上げているほか、2013年半ば以降は労働市場も急速に回復。4月の失業率は6.6%と、2009年1月以来の低水準まで改善した。

こうしたなか、1~3月期実質GDP成長率は前年比プラス3.0%と、2007年4~6月期以来の高水準に達した。バークレイズは堅調な景気回復が年内も継続すると見込んでおり、2014年全体の成長率がプラス3.1%と2013年のプラス1.7%から大幅に加速すると予想している。

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