ベネッセHD:臨時電話に問い合わせ4500件 株も急落

毎日新聞 2014年07月10日 21時30分(最終更新 07月10日 22時10分)

 顧客情報漏えいが明らかになったベネッセホールディングス(HD)には10日、会員の保護者らから問い合わせや苦情が殺到した。東京株式市場では、業績悪化を懸念した売りが膨らみ、ベネッセHDの株価は一時、前日終値比280円安の4080円まで売られた。終値は215円安の4145円だった。

 ベネッセは9日に100回線以上の臨時電話を設け、対応に当たった。「自分の子どもの情報は漏えい対象か」「どういう項目が漏れたのか」など9日だけで約4500件の問い合わせがあった。10日はさらに回線を増やしたが、つながりにくい状態が続いた。

 ベネッセは「金銭補償はしない」方針だが、2004年にソフトバンクグループの会員情報が漏えいした際は、金券を配布した例もある。さらに新たな販売促進活動を当面停止することから、市場では「顧客離れで業績悪化につながる」との見方が広がった。

 ベネッセの顧客情報を利用したジャストシステムの株価も急落。一時、値幅制限いっぱいのストップ安まで売り込まれた。ジャストシステムは「当社がベネッセから流出した情報と認識した上で、これを利用したという事実は一切ない」とのコメントを発表した。【山口知】

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