サムスンこけたら韓国も没落? 経済システムの改革急務

【ソウル聯合ニュース】韓国経済は一部大企業への依存度を引き下げる必要があるとの見方が広がっている。近く政府の新体制下で経済担当部門が再スタートするが、主要課題となりそうだ。

 企画財政部の高官が10日、「サムスン電子と現代自動車への経済依存度が高まっている状況を注視している。経済の体質改善に向けた努力を今後の経済政策にどう反映していくか、模索している」と話した。また、最近の韓国経済の問題点として、経済指標と国民が実感する景気の乖離(かいり)が進んでいることを指摘。一部大企業の業績が、国の経済指標のように映る状況を正す必要があるとした。

 サムスン電子が8日に発表した4~6月期の連結決算(速報値)は、売上高が前年同期比9.5%減、営業利益も24.5%減少した。予想以上に低調な業績は少なからぬショックを与えている。

 韓国の主要2企業グループ、サムスンと現代自動車の2008年の売上高は、単純比較で国内総生産(GDP)の23%だったが、2012年は35%に拡大した。サムスングループが23%、現代自動車グループが12%。両グループの営業利益も韓国企業全体の30%を超えている。

 この企画財政部高官は「ほかの企業や業種、産業の競争力を強化しなければならない」と話す。 

 政府は旅客船沈没事故のあおりで勢いを失った規制緩和と創造経済(産業と産業、文化と産業を融合させ付加価値や雇用、成長動力を生み出す経済政策)の活性化をあらためて目指すほか、サービス業を生かし内需基盤を固め、そのほかの企業の競争力を強化する方向へと政策的な取り組みを進めたい考えだ。

 専門家も、今回のサムスン電子の業績落ち込みを機に経済システムを見直し、対策を講じる必要があると助言する。政府が創造経済や経済改革3カ年計画などを着実に進めれば、サムスングループに頼りすぎることによる弊害をある程度は防げるとした。起業の活性化や中小・中堅企業の発展に向け、技術力の確保や人材養成も支援する必要があるという。

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