阪本輝昭
2014年7月10日16時06分
今春始まった大阪市の中学1年生対象の全員給食で、虫や髪の毛などの異物混入が相次いで発覚している。衛生管理の徹底を求める声を受け、同市教育委員会は対策を強める。同市の給食をめぐっては、分量や保温への不満・苦情が多く寄せられている。
市教委によると、スタート1カ月間で、虫や髪の毛、繊維くずなどの混入が38件確認された。全学年で持参弁当との選択制がとられていた2013年度は1年間で計73件だった。当時の配送弁当の個数は128校で最大6千食程度だったが、現在は約2万6千食に増えている。学校関係者の間では「供給量の増加で対応が追いついていないのでは」との見方がある。
学校で配送弁当を受け取り配膳などをする給食会社のパート従業員の女性は「弁当のふたに虫がつき、髪の毛、輪ゴムのようなものが見つかる日もある。弁当を運ぶ大型トレーも汚れるなど管理がずさんだ」として、市教委に改善を求めた。
調理しているのは大阪府内の給食会社4社。4社と市教委は、調理場でのアクセサリー着用や私物の持ち込みを禁じ、盛りつけの時は使い捨ての手袋をつけるなどの衛生管理基準を契約時に決めている。だが異物混入が続く事態に、市教委は4月下旬から調理施設への栄養士の立ち入り検査を増やした。さらに今月新設した給食改善担当部長のもとで体制強化を進めている。担当者は「異物混入が調理段階か配送段階か、食事中なのかがはっきりしないケースもあるが、衛生管理を強め、異物混入をなくしたい」としている。
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