“印象派の殿堂”として知られるパリオルセー美術館から、珠玉の絵画84点が来日します。テーマは“印象派の誕生”。1874年の第1回印象派展開催から140年 ―― パリの美術界を騒然とさせた“新しい絵画”の誕生の衝撃が、選りすぐりの名画によって東京六本木に鮮やかによみがえります。


 マネに始まり、モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌら印象派の立役者となった画家たちの作品はもちろんのこと、同時代のコローやミレー、クールベのレアリスムから、カバネル、ブグローらのアカデミスム絵画まで、まさに時代の、そしてオルセー美術館の“顔”ともいうべき名画が集結する本展に、どうぞご期待ください。


本展のみどころ

84点

至高の名画

パリオルセー美術館を代表する至高の名画84点が来日

エドゥアール・マネ

マネに始まり、マネに終わる

近代絵画の立役者マネの貴重な作品11点を一挙公開

印象派

印象派が誕生した時代に迫る

19世紀後半、伝統と革新が交錯したフランス美術を一望

各流派を代表する巨匠たち

印象派、レアリスム、アカデミスム

各流派を代表する巨匠たちの個性が、様々なテーマを通して浮き彫りに

日本初公開

モネの記念碑的大作、ついに日本初公開!

これまで、フランス国外に出ることがほとんどなかったモネの大作を、本展にて日本初公開いたします。木々の細やかなタッチや、女性たちがまとった流行の服に落ちる木漏れ日…モネは戸外でくつろぐ人々という近代的な主題のもと、光を捉える自由な筆致を試み、本作品をもって印象派の誕生へとつながる重要な第一歩を踏み出したのです。

クロード・モネ 《草上の昼食》

クロードモネ 《草上の昼食》
1865-66年 油彩/カンヴァス 418×150 cm(左) 248.7×218 cm(右)
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF


展示構成

1章「マネ:新しい絵画」

エドゥアール・マネ《笛を吹く少年》

エドゥアールマネ 《笛を吹く少年》
1866年 油彩/カンヴァス 160.5×97cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

ベラスケスや日本の浮世絵に影響を受けた斬新な構成

2章「レアリスムの諸相」

ジャン=フランソワ・ミレー《晩鐘》

ジャン=フランソワミレー 《晩鐘》
1857-59年 油彩/カンヴァス 55.5×66cm
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

農民の日々の営みに真摯なまなざしを注ぎ続けたミレーの最高傑作


ギュスターヴ・カイユボット《床に鉋(かんな)をかける人々》

ギュスターヴカイユボット 《床にかんなをかける人々》
1875年 油彩/カンヴァス 102×147cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

額に汗して働く人々の姿を克明に描き出した迫力の1点


3章「歴史画」

エリー・ドローネー《ローマのペスト》

エリードローネー 《ローマのペスト》
1869年 油彩/カンヴァス 131.5×177cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF

伝統的主題「ペスト」
―― ローマの惨禍を象徴的に描いた大作

4章「裸体」

アレクサンドル・カバネル《ヴィーナスの誕生》

アレクサンドルカバネル 《ヴィーナスの誕生》
1863年 油彩/カンヴァス 130×225cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

ナポレオン3世が買い上げた官能的な美の女神


5章「印象派の風景」田園にて/水辺にて

クロード・モネ 《かささぎ》

クロードモネ 《かささぎ》
1868-69年 油彩/カンヴァス 89×130cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

モネが印象派の技法に目覚めた北フランスの雪景色

アルフレッド・シスレー《洪水のなかの小舟、ポール=マルリー》

アルフレッドシスレー
《洪水のなかの小舟、ポール=マルリー》
1876年 油彩/カンヴァス 50.4×61cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

移ろいゆく水辺の風景を愛したシスレーの詩情豊かな1枚


6章「静物」

ポール・セザンヌ《スープ入れのある静物》

ポールセザンヌ 《スープ入れのある静物》
1873-74年頃 油彩/カンヴァス 65×81.5cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

「りんごひとつでパリを驚かせたい」
と語った画家の探究心をうかがわせる静物画

7章「肖像」

フレデリック・バジール 《家族の集い》

フレデリックバジール 《家族の集い》
1867年 油彩/カンヴァス 152×230cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

故郷モンペリエに近い別荘に集ったバジール一族の肖像


8章「近代生活」

エドガー・ドガ 《競馬場、1台の馬車とアマチュア騎手たち》

エドガードガ
《競馬場、1台の馬車とアマチュア騎手たち》
1876-87年 油彩/カンヴァス 65.2×81.2cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

パリ市民の社交の場、競馬場を実験的な構図で描いた作品

クロード・モネ 《サン=ラザール駅》

クロードモネ 《サン=ラザール駅》
1877年 油彩/カンヴァス 75×105cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

近代都市パリの象徴、サン=ラザール駅
―― 交錯する白い蒸気と光の描写が美しい傑作


9章「円熟期のマネ」

エドゥアール・マネ 《ロシュフォールの逃亡》

エドゥアールマネ 《ロシュフォールの逃亡》
1881年頃 油彩/カンヴァス 79×72cm
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

青い海が画面を覆い尽くす大胆な構図
―― マネ最晩年の一つの到達点


オルセー美術館とは

構想から開館まで

オルセー美術館 外観

オルセー美術館 外観
© Musée d'Orsay dist. RMN - Patrice Schmidt

オルセー美術館の構想は1973年にさかのぼります。当時、印象派をはじめとする19世紀後半から20世紀初頭の芸術作品は、ルーヴル美術館、ジュポーム美術館、国立近代美術館の3つの機関に散在していました。そこで、これらの作品を一堂に集める新しい美術館の必要性を主張したのが、時の大統領ジョルジュポンピドゥでした。折しも、1900年のパリ万国博覧会の際に建てられた旧オルセー駅の建物が、老朽化のために取り壊しの危機に直面していましたが、ポンピドゥ大統領は、近代パリを象徴するこの旧駅舎を美術館として蘇らせる構想を打ち出しました。この改修計画は、次の大統領ジスカールデスタン、ついでフランソワミッテランの時代に具体化されます。そして、1986年12月9日、セーヌ川右岸にそびえるルーヴル美術館の対岸に、オルセー美術館が誕生しました。


オルセー美術館 館内

オルセー美術館 館内
© Sophie Boegly

コレクションの特徴

オルセー美術館が収集展示の対象とするのは、二月革命により第二共和政が成立した1848年から、第一次世界大戦が勃発した1914年までのフランスを中心とする西洋美術 ―― 絵画、彫刻、装飾芸術、写真、版画素描、建築資料 ―― です。その豊かなコレクションは、印象派をはじめ、革新的な表現が次々に生まれたこの時代の多様な芸術動向を、パノラマのように提示してくれます。数々の名品と充実した展覧会は世界中の美術ファンを魅了し、年間の来館者数は350万人以上に及んでいます。


オルセー美術館 館内

オルセー美術館 館内
© OPPIC Thierry Ardouin

新しい(ヌーヴェル)オルセー

年々増加する来館者によりよい鑑賞環境を整えるため、2009年末より展示室の一部が閉鎖され、初めての大規模な改修工事が行われました。2011年秋、工事を終えて全館オープンしたオルセー美術館は、展示スペースが大幅に拡張されたほか、大きな見どころである印象派とポスト印象派の作品群を明確に区分する順路がとられたり、異なる流派や技法の作品が共鳴しあうような展示構成が実現されるなど、「新しい(ヌーヴェル)オルセー」の名にふさわしいダイナミックな変貌を遂げました。展示室の内装についても新たな趣向が凝らされ、それぞれの絵画の特徴や持ち味をいっそう引き立てるような色の壁紙と照明が選ばれています。