【W杯】「ミネイランの惨劇」国辱的大敗にブラジル国民大激怒!乱闘、強奪、放火
サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会準決勝でブラジルがドイツに1―7と歴史的な大敗を喫した8日(日本時間9日)、同国各地では惨敗に怒ったサポーターらが放火や略奪などの事件を起こし、逮捕者も出た。大会前、多額の資金を使っての大会開催に反対するデモが全国で展開されただけに、屈辱的な敗北で、デモ再燃を懸念する声が相次いでいる。
「ミネイランの惨劇」のショックは、瞬く間に王国ブラジルの全土を覆い、怒り心頭のサポーターたちを犯罪行為へと走らせた。
地元紙などによると、ドイツ戦の終了のホイッスルが鳴り響いた直後、会場となったベロオリゾンテのミネイラン競技場では、ウップンのたまったサポーター同士による乱闘が発生。ドイツ・サポーターの男性が何者かに殴られ、耳が聞こえなくなって病院に搬送される騒ぎも起きた。さらに、競技場を出た約50人のサポーターは、道路を封鎖してゴミに火を放つなど、やりたい放題。複数の逮捕者が出た。
同じ頃、サンパウロでは、サポーター集団がバス会社の車庫に侵入してバス23台、乗用車2台に放火。家電店に数十人が押し入って電子レンジやテレビなどを強奪して逃走する事件も発生し、5人が逮捕された。
南部クリチバでは試合後、武装した強盗団がバスに乗り込み、乗客から金を奪った後、バスに放火して逃走。うち1人が逮捕された。リオデジャネイロや北東部レシフェでは、パブリックビューイング会場でサポーター同士が小競り合い。治安部隊が催涙弾で鎮圧する騒ぎもあった。
ブラジル政府は「深い悲しみと怒りに包まれた国民の行動を注視しなくてはならない」とし、ルセフ大統領は「ファンにとっても選手にとっても非常に残念」と述べた上で「ヘコまないようにしよう。ホコリを払って立ち上がろう」と国民に呼び掛けた。
ブラジルでは、国家の財政難からW杯の自国開催に反対するデモ活動が昨年のコンフェデレーションズ杯から活性化。大会直前まで各地で行われていたが、セレソンの快進撃を受けて下火に。しかし自国開催でのV逸、そして「1―7」の衝撃を受け、反対デモの機運が再燃することを懸念する声が上がっている。