ローンチからわずか2週間でユーザーを150万人獲得したQuizUpのグロースハック手法

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Translated by Takaya Uchida

 

 

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もしローンチからわずか2週間という短期間で150万人ものユーザーを獲得したアプリがあったならば、そのグロースの裏には必ず何かからくりがあるはずで、アプリに関する周到な分析を行う価値もあるでしょう。

 

まさにそれを体現したアプリがQuizUpなのです。

 

QuizUpは2013年11月7日にローンチされ、11月20日時点で既にTechCrunchが

 

この10日間で70万回以上勝負を行っているユーザーを150万人以上獲得している。その結果、QuizUpは過去一週間ずっとApple App Storeのランキングで1位に輝き、4500人以上のユーザーの平均的評価として星が4.5個あるという、熱狂的なレビューを得ている。

 

と掲載しました。

 

 

本記事はinc42.comに掲載された記事(原題:How QuizUp Growth Hacked to 1.5 Mn Downloads in Just 2 Weeks)を参考に執筆したものとなります

 

 

QuizUpとはどのようなアプリなのか?

 

QuizUpは自身を「世界で最大規模のトリビアゲーム」と称しています。

 

ここでのトリビアとは数年前テレビで放送されていた「トリビアの泉」と同じで、様々な分野に関する豆知識という意味です。

 

要するに、QuizUpとは対戦者と任意の分野に関するクイズの勝負をするアプリで、対戦相手は友人に限らず、全く知らない赤の他人であることもあります。

 

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(QuizUpの使い方に関する一連の流れを示しています)

 

アプリをダウンロードした後、ユーザー登録することを要求されます。この過程で、FacebookまたはGoogle +のアカウントでサインアップすることができ、もちろんメールアドレスの登録でサインアップすることも可能です。

 

アプリの使用手順は:

 

 

・ステップ1

 

ログインするとクイズのトピックを選択することを要求されます。

 

初回はトピックの選択肢として約12個リストアップされます。選択できるトピックは多岐にわたり、芸術から教育まで、ゲームに関する知識から歴史まで、や文学から科学までとまちまちです。

 

一旦トピックを選択すると、さらにより細分化されたトピックを選択することを要求されます。

 

例えば文学を選択したならば、文学の中でもさらにニッチな領域、例えば夏目漱石を選択することによって夏目漱石に関するクイズのみが出題されるようになります。

 

QuizUp_2

 

(QuizUpで選択できるトピックの選択肢を示しています)

 

 

・ステップ2

 

トピックを選択し終わると、対戦相手を友人にするか、はたまた赤の他人にするかを選択でき、QuizUp内のユーザー検索欄に名前を入力することによって、それと同一の名前のユーザーをリストアップしてくれます。

 

Facebook、Google +やTwitterのアカウントと連携させている人なら、既にQuizUp上にいる友人をSNS経由で探すことも可能です。

 

 

・ステップ3

 

ここまでの手順が済むと、ようやく対戦することができます。

 

上のスクリーンショットの3つめのiPhoneの画面から見て取れるよう、質問は画面の中央に表示され、回答としての4択が下に表示されます。

 

また、自分と対戦相手の名前と点数は左上と右上に表示されます。

 

点数に関しては回答までの時間も響いてきます。クイズに正解するだけでなく、回答を選択する時間も点数に加算されるので、クイズのタイムトライアルと考えればわかりやすいかもしれません。

 

両者とも各設問を応えるのに10秒間与えられ、その間に回答を選択しなければその設問に関しては0点となります。

 

 

 

ここまで読んできて、QuizUpの何がそんなに人々の心を掴んだのかピンと来ないかもしれません。

 

他にもApp Storeには豆知識を競うアプリは存在します。なぜQuizUpだけこれほどまでに人気なのでしょうか?

 

一つの理由はアプリのデザイン性にあります。

 

QuizUpはどの端末でも滞りなく使用することができ、グラフィックスも他のアプリとは一線を画します。

 

しかし、最大の理由はクイズの設問量の多さにあるのかもしれません。

 

初めは合計で160,000個あったクイズが今は220,000個を越えており、クイズの豊富さ故に、同じ質問を出題されることがほとんどなく、ユーザーは飽きることなく何度でも対戦を楽しむことができるのです。

 

QuizUpを開発したVanilla GamesのCEOであるThor Fridrikssonは自社のアプリに関する取材に応えており、アプリ開発の舞台裏や如何にアプリから収益を得ているかに関して述べています。

 

興味がある方はインタビューがこちらこちらにアップロードされているため、見てみるといいかもしれません。

 

お時間のない方のために、ここではインタビューの要点(QuizUpのグロースハック手法と収入を得ている方法)を述べていきます。

 

 

QuizUp流のグロースハック

 

Fridrikssonはオーガニックな口コミがユーザー数増加の最大の牽引力だと述べていますが、インタビューの中で2点程QuizUpが実行したグロースハック手法に気付きました。

 

 

ユーザーが自慢をすることができる

 

Fridrikksonは人々は自身の知識をひけらかすことを好むと述べています。

 

例えば夕飯時に家族でクイズ番組をテレビを観ていたとき、答えを知っている家族のメンバーは番組に登場している芸能人達よりも先に解答を言いたがることをFridrikssonは指摘しました。

 

これと同様に人々はSNS上で友人に自分自身を良く見せたがっており、QuizUpはユーザーに自身の結果をSNS上でシェアできるようにしています。

 

これらの結果は通常対戦した両者の写真や、「私は花子に物理のクイズで勝利したよ」という文言と共に、それぞれの点数とアプリのロゴが表示されます。

 

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(SNS上での結果の表示のされ方を示しています)

 

この手法はQuizUpのアプリにとっては福音とも言えるものでした。

 

Nymag.comでFridrikksonは

 

人々はアプリ内の友人招待制度を使っていないことに気付いたんだ。ほとんどの新規ユーザーはFacebookやTwitter上でのシェアから流入しており、彼らは何らかの分野に関する豆知識で1位の地位にいることを誇りに思っている。

 

と述べています。

 

 

クイズの作成にライターを募集している

 

QuizUpのデータベースに用意されている質問はほとんどフリーランスのライターによって作成されました。

 

質問を作成するために誰かをフルタイムジョブとして正規に雇用するよりも、Fridrikksonは様々な分野のファンサイトと接触はかり、その中で特定のトピックに関して特に興味を持っている人と直接やり取りをし、その人達にクイズを作成してくれるよう依頼しました。

 

アプリの人気を続かせ、ユーザーに繰り返し使用してもらえるようにQuizUpはクイズを絶えず増やしていく必要がありました。

 

そのため、彼らは全ての分野においてユーザーにも新しいクイズを運営側に提出することも可能にしました。

 

ユーザーによって作成されたクイズはQuizUpが抱えている専門家によってチェックされ、採用されたときはユーザーに貢献の証しとしてバッジが授与される仕組みになっています。

 

特定の行動を起こしてくれたユーザーに報奨を与えることは「海外のグロースハッカーが最重要視する9つのユーザー保持テクニック」でもご紹介したレッドカーペットを敷くテクニックの良い例です。

 

QuizUpの手法には2つの効果があります。

 

1.  運営側はライターを雇う必要性がなくなるため、お金の節約になる

 

2.  ユーザーはアプリの作成に貢献できたことによる特権意識を感じることができる

 

 

QuizUpが如何に収益を得ているのか?

 

これは非常に興味深い疑問で、アプリ内に広告は一切掲載されていません。

 

実はQuizUpはネイティブ広告を使っているのです。

 

彼らは他の企業とタイアップすることによって、提携企業に関するクイズをその企業と作成しているのです。

 

例えば、QuizUpの最初のスポンサーはGoogleでしたが、GoogleはGoogle Mapsの告知をしたがっていました。

 

そこでQuizUpとGoogleはGoogle Mapに関するクイズをアプリ用に作成したのです。

 

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この種の広告はアプリのユーザーにとって目障りになることもなく、QuizUpとGoogleにとってまさにwin-winの方法でした。

 

QuizUpは資金を、Googleは欲しかった認知度を、ユーザーは新しく遊べるクイズを得たのです。

 

QuizUpには他にも方法がありますが、Fridrikksonはこの手法によって最も収入を得ていると述べています。

 

 

最後に

 

豆知識に自信がある人はQuizUpで世界を相手に挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

 




Author Profile

growthhackjapan
Takaya Uchida
 

東京大学工学部を2014年に卒業し、卒業に際して工学部長賞を受賞。
2014年秋からコロンビア大学の博士課程に5年間留学予定。
現在は株式会社Vapesにて、グロースハックを研究中。

 

Company Profile

株式会社Vapes
 
 

検索エンジン周りのグロースハックをサポートする株式会社Vapesが運営しています。

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Author: growthhackjapan

Ryutaro Mori UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を2013年に卒業。 現在は平均年齢23歳のWEBマーケティング・コンサルティングエージェントVapesによる ITニュースメディア growth hack japanを監修。 ディレクションやコンサルティング業務の傍ら、 ウェブサービスの拡散に貢献する術を日夜研究・実践中。

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