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ベネッセ以上にジャストシステムが問題

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 芸術学部 芸術計画学科 哲学教授
純丘曜彰 教授博士/IT・Web
2.2
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2014年7月10日 08:22

/数日前からベネッセの大量情報流出が問題になっている。だが、顧客が怒っているのは、情報を盗まれた同じ被害者の側のベネッセより、盗んだ情報を使って広告を送りつけてきたジャストシステムだ。/

 今回の一件の事実関係がはっきりするまで、学校や官公庁は、ジャストシステムからのいっさいの物品購入は、ただちに完全凍結するのが当然だ。一般顧客においても、自分の個人情報を守るために、ジャストシステムの商品の購入、および、ユーザー登録は控えた方がいい。くわえて、顧客は、どこでも個人情報を提供する際には、情報に「すかし」を入れて、自分を守ろう。仕組みは簡単。部屋番号の前に、AだのBだのの英字を書き加えるとか、一軒家でも、それらしい部屋番号を付けてしまうとか。

 新聞やテレビ、ネットまで、ジャストシステムが大手スポンサーということで、いまだに今回の一件に口をつぐんでいるが、謝罪するなら、ベネッセ以上にジャストシステムだ。どこから入手したかも怪しいような情報で広告を送りつけてくる企業は、いまの時代には、もはや存在そのものが社会的に許されるものではない。頭を下げただけで済むと思うな。情報漏洩させてしまった側の三菱UFJ証券は1万円のギフト券だったそうだが、今回は情報を盗んだ側なのだから、「お詫び」は、当然、もっと高額になるだろう。送り先の住所は知っての通り。ほら、みんな待ってるぞ。ズルは、結局、高くつくことを思い知れ。

追記:ジャストシステムが14時過ぎになってコメントを出した。「当社が悪意を持って利用したかのような報道がなされました」だと。裁判のことしか考えが及ばない頭の悪い弁護士に騙されたのだろうが、これは企業の危機管理として最悪の対応だ。「世間をお騒がせして申しわけございません」という謝罪から始めないと、話にならない。この状況で、「ぼくは悪くないモン!」なんて、やれば、よけい火に油を注ぐようなもの。ますます世間を敵に回しただけ。そのうえ、このコメントは、ホームページトップではないところにある。問題が表面化してからこの一週間をムダにしたことを含め、コーポレイトガヴァナンスがガタガタである内情を露呈した結果か。

「悪意」を持っていたか否か、という話で言えば、「悪意」というのは、不正の認識があったかどうか、ということだが、第三者から名簿を購入してDMを送付した時点で、法律的にはともかく、倫理的には、プロとして情報を扱う業者として「悪意」があった、と見なされうるだろう。これらの個人情報がジャストシステムの業務代行として収集されたのでない一般販売のものであった以上、ジャストシステムのDMに関する「オプトイン」を得ていない、ジャストシステムからDMを送付されることに関して相手から承認を得ていない、ことは、あきらか。電子メールでダメなものは、DMでもダメ。文句がある、悪意が無かった、と言い張るなら、今回、送付したすべての子供たちのオプトインを明示する必要がある。

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