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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」
【第11回】 2014年7月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
鈴木寛 [東京大学・慶応義塾大学教授、元文部科学副大臣]

「自分たちのサッカー」の言葉に見る日本の宿痾
ザッケローニ氏に総括を聞きジュニア育成に活かせ

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ブラジルで実感した
オシム氏の名言

 こんにちは鈴木寛です。

 ブラジルのワールドカップ(W杯)は決勝を残すのみ。次回のコラムをお届けする頃にはどの国が王座に君臨しているのでしょうか。ただ、このクラスに残っているチームのプレーは、フィジカル、スピード、テクニック、組織力のいずれも「これぞワールドクラス」というクオリティーです。

 過去20年でようやく「一流国」になった日本と、「超一流国」であり続けるブラジルなどの国々との間には、まだまだ大きな差があることを痛感します。

 「サッカーは人生の縮図である」――。

 最近、私はこの名言が意味することを実感するようになりました。サッカーファンならご承知だと思いますが、かつて日本代表を率いて志半ばに病に倒れたイビチャ・オシムさんの名言の一つです。

 ザック・ジャパンは目標であるベスト8に程遠く、グループリーグは勝ち点1を得るのがやっとという惨敗に終わりました。人間というものは、負けたとき、試練のときほど「人生」の意味を考えるものです。

 もう一つ、私がオシムさんの言葉を拝借すれば「サッカーは国民性の縮図でもある」と感じます。今回はブラジルの現地で私が感じたこと、そして帰国後の世論をみて気づいたことを書いてみます。

稼働しているのは空港と競技場
土産店も道路も人も準備不足

 日本サッカー協会理事の仕事で、私は6月17日から1週間、ブラジルに入りました。ナタールで行われた日本代表の第2戦、ギリシア戦を観戦し、リオ・デ・ジャネイロのマラカナンスタジアムの見学を兼ねてロシア・ベルギー戦を現地で観ました。東京オリンピック・パラリンピックを前に開催期間中の国際大会をその目で見る貴重な機会と思っていましたが、率直なところ、国情があまりに違いすぎました(苦笑)。

 まず、準備の遅れはすさまじいものがありました。日本代表チームの宿舎が現地入りまで1週間を切っても、まだ建物の内装が仕上がっていない等が日本でも報道されていましたが、ギリシア戦のナタールでは大会期間中にもかかわらず、競技場までに至る道路ができていないのです。さすがに空港は稼働していますが、舗装もあまりされていないルートを通ったときには驚いてしまいました。

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鈴木 寛 [東京大学・慶応義塾大学教授、元文部科学副大臣]

すずき・かん/元文部科学副大臣、前参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。超党派スポーツ振興議連幹事長、東京オリンピック・パラリンピック招致議連事務局長。大阪大学招聘教授、中央大学客員教授、電通大学客員教授。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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