日比野容子
2014年7月10日03時00分
函館やニセコの観光の目玉の一つ、蒸気機関車(SL)が今年度いっぱいで姿を消すことになった。JR北海道の運行休止の方針が明らかになった9日、地元の関係者は「残念だが、仕方ない」と複雑な表情を見せた。
「SL函館大沼号」(函館―森)は2001年度から運行し、延べ11万1700人が乗車。「SLはこだてクリスマスファンタジー号」(函館―大沼公園)は10年度に運行を始め、毎冬4千人超が利用。00年度からの「SLニセコ号」(札幌―蘭越)には延べ9万2100人が乗車した。
JR北がこの三つのSLを休止するのは、安全運行や16年春に開業する北海道新幹線の準備に力を注ぐためだ。05年のJR福知山線脱線事故を受け、国から新型ATS(自動列車停止装置)の搭載が求められていることも理由の一つという。だが、車両整備や運転技術の伝承などのため、「SL冬の湿原号」(釧路―標茶)は存続させる。
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