皆さん、こんばんは。
今僕は、標高3300mのパイユに居ます。
パイユ!と聞くと「まいうー!」と聞こえ、確かにキャラバン中の食事は少し辛いですが、まいうー!です。
気温40°のイスラマバードから、車で18時間揺られてスカルドゥへ。
そこからさらに9時間半、ジープで悪路を突き進み標高3000mのアスコーレへ。
果たして、この先に本当に山があるのだろうか。
ジープの天井に何度も頭を打ち、もしこの先に山がなければただの苦行だ。
アスコーレから7時間歩き、ジョーラ。
そしてジョーラからパイユ!
荒涼とした谷の中、ネパールでのキャラバンとは違い、山小屋も食堂も何もない。
一日に歩く距離は約20km。
さらに撮影しながらのキャラバンなので、20kmが倍のように感じた。
途中、国境警備に向かうAK47自動小銃を持ったパキスタン軍の人たちと出会う。
緑のジャージにリュックを背負った姿は、まるでどこかの修学旅行生のようだ。
この山脈が国境にあたり、彼らはパトロールに向かうが、今まで何人も高山病で亡くなっているらしい。
相手が見えない空気の薄さというのは、僕と同じ。
この過酷な地で3ヶ月間を過ごすのは、僕の登山以上に大変なのかもしれない。
別れ際に兵士たちが、「パキスタン ジンバボー!ジャポン ジンバボー!クリチン ジンバボー!」と言って(クリキチームと言おうとしたがクリチンに聞こえる)、なんだか一発ギャグのようになってしまったが気さくな兵士たちが応援をしてくれた。
パイユに近くなるにつれて、カラコルム山脈の山々が見え始める。
のどの渇きのせいか、茶色い山に雪がかぶさった姿を見ているとソフトクリームが食べたくなる。
そして、至る所にピンクのバラが咲いていた。
見た目は日本のバラと違うが、このバラが品種を変えて、よく見るバラの姿になったと現地の人が教えてくれた。
確かにトゲがあり、甘い香りが漂っていた。
バラの甘い香りとソフトクリームを眺めながら、この乾いた道を歩いてゆく。
明日は、標高4200mのウルデゥカスに向かいます!