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最終更新:2014年7月9日(水) 19時36分

辺野古沖に“ジュゴン”“新種” 「新たな発見」工事中止訴え

 アメリカ軍・普天間基地の移設先とされている沖縄県辺野古沖の海の中。ここで新たに、ジュゴンの生息を示す痕や、新種とみられる生き物などが見つかったとして、日本自然保護協会が埋め立て工事の中止を訴えました。

 太陽の光を浴びて、サンゴが輝き、その周りを魚の群れが悠々と泳ぎます。先週金曜日、沖縄県名護市の東側にある大浦湾にJNNの水中カメラが入りました。この大浦湾は、米軍・普天間基地の移設先として計画されている辺野古に隣接しています。

 辺野古への移設をめぐっては去年12月、沖縄県の仲井真知事が埋め立てを承認しましたが、翌月の名護市長選で移設反対を主張する稲嶺市長が再選されました。しかし、政府は早期の移設を目指す姿勢を崩さず、今月1日から海岸付近での工事を始め$^$7$?!#

 埋め立てによる周辺の環境の影響を調べるため、NGO団体「日本自然保護協会」は、今年5月から辺野古沖合いの海域などで独自の調査を実施。その結果、新たな発見があったと、9日、発表しました。

 これは米軍キャンプシュワブからわずか50メートルの海底の様子です。海草には、国の天然記念物、ジュゴンが食べた痕が見つかりました。

 「(ジュゴンは)環境アセスメントでは、この海域の利用は少ないと予測されていた。アセスメントの調査が不十分だったということに尽きる」(日本自然保護協会 亀山章理事長)

 こちらは、辺野古の沖合い1キロほどにある島で見つかった鍾乳洞です。このようにサンゴのかけらが付着して成長した鍾乳洞は日本では他に例がないとしています。

 「非常に価値のある基礎データを提供してくれる場所ではないか。埋め立てを中止して、学術的に調査し、世界に発信することが非常に重要なことではないか」(日本自然保護協会 辻村千尋主任)

 地元でダイビングチームの代表を務める西平伸さん。10年以上、辺野古周辺での観察を続けてきました。

 「ここで何十という未記載種がいるという現実があっても、埋め立てには全く歯止めがかからないということはとても悲しい」(地元のダイビングチーム代表 西平伸さん)

 自然保護協会の9日の会見でも、新種とみられる生物が数多く見つかったことが発表されました。

 「この海をもっと豊かにしようとか、もっときれいにしようとか、そんなことは全くなくて、このままそっとしてもらえないかと。望むのはそれだけだね」(地元のダイビングチーム代表 西平伸さん)

 西平さんらの思いをよそに、政府は、準備が整い次第、埋め立て工事に向けて海底でのボーリング調査に乗り出す方針で、辺野古への移設事業が本格化します。(09日16:29)

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