不登校中3:85%進学 受け入れ整備で上昇 文科省調査

毎日新聞 2014年07月09日 21時47分(最終更新 07月10日 00時07分)

不登校生の中学卒業時の進路
不登校生の中学卒業時の進路

 文部科学省は9日、2006年度に不登校だった中学3年生の5年後の追跡調査結果を公表した。高校への進学率は85.1%で、前回(1993年度に不登校だった中3生対象に99年に調査)に比べ20ポイント上昇。20歳時点での大学・短大・高等専門学校への就学率も23%で、前回の3倍に増えた。同省は、スクールカウンセラーの配置や不登校生の受け入れ態勢を高校側が整備したことが要因とみている。

 調査は06年度当時中学3年で不登校(年間30日以上欠席)だった4万1043人のうち、1604人がアンケートに応じた。

 高校中退率は14%で前回調査より24ポイント下がった。20歳時点で就学も就業もしていない割合は18%と、前回より4ポイント減るなど高校・大学への進学や中退に著しい改善が見られた。

 改善の背景として、同省は不登校生の「受け皿」の多様化を挙げる。東京都は00年度から不登校だった生徒を受け入れる都立高「チャレンジスクール」を開設し、現在5校に約3400人が通う。入試は小論文と面接で、過去の不登校歴や内申書は不問。今春入試の平均倍率は1.71倍で普通科高(1.54倍)を上回り、ニーズの高さをうかがわせた。

 民間やNPO法人が運営する「フリースクール」も受け皿の一つだ。NPO法人フリースクール全国ネットワーク(東京都)によると、全国で約400あるといわれ、一部は通信制高と連携もする。だが、法的に位置付けられておらず費用は各自負担だ。松島裕之事務局長は「公的支援が必要だ」と強調。政府の教育再生実行会議が3日に安倍晋三首相に出した「学制改革」の提言には公的負担の検討が盛り込まれている。【三木陽介】

 ◇「支援なし」2割 課題も浮き彫り

 小中学校の不登校児童生徒数はここ数年微減傾向だが、2012年度は11万2689人(全児童生徒の約1%)と依然高水準だ。今回の調査では、不登校の長期化の背景や傾向も分析。学校を休み始めた時期と不登校になる時期の間に「潜在期間」があることが分かった。不登校が中学3年から始まった人の44%、中学2年からだった人の36%は「不登校の長期化以前から休み始めた」と回答した。学校を休み始めた時期は中学1、2年の7〜9月が突出して多かった。

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