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「河野洋平官房長官談話」の作成過程の検証結果が6月20日、公表された。極めて長文だったが、ハッキリしたことは、日韓両政府が事前にすり合わせた、徹底的な政治的妥協の産物であったことである。
これに関する翌21日の朝日社説には、奇妙なところがたくさんある。
例えば、「韓国にすれば、日本側から秘密にしようと持ちかけられたことである。それなのに了承もなく、一方的に公表されるのは信義に反することになる」とある。だが、談話発表後に、何度も何度も蒸し返してきたのは韓国側であり、それこそ信義に反している。
また、「安倍(晋三)首相はかつて、慰安婦への謝罪と反省を表明した河野談話の見直しを主張していた。だが、国際社会からの強い反発もあって、河野談話を見直さないとの方針に転じた。もう談話に疑義をはさむのはやめるべきだ」ともある。
この「国際社会」とは、第3面に4段見出しで大きく、「見直し封印 米の影」とあるように、明らかに米国である。安倍首相は日本の防衛を根本的に依存している米国の意向に逆らえず、断腸の思いで見直しを封印したに過ぎない。
慰安婦問題は、1983年に元軍人の吉田清治氏が『慰安婦を強制連行した』という捏造の大ウソ本を書き、91年に朝日新聞が大きく取り上げて、韓国が騒ぎ出した。朝日新聞には責任がある。先の検証結果には、日本政府の「強制連行は確認できない」という一線を、河野氏が独断で記者会見で踏み越えた売国的行為が記されている。