ベネッセホールディングスは9日、傘下のベネッセコーポレーションから通信教育講座「進研ゼミ」などの顧客情報760万件が社外に漏洩したと発表した。詳細は現在調査しており、情報漏洩は最大2070万件に達する可能性がある。ベネッセからの被害相談を受け、警視庁は9日までに不正競争防止法違反容疑で捜査を始めた。
漏洩した情報は進研ゼミを受講する子供や保護者の名前や住所、電話番号など。クレジットカード番号や銀行口座の情報の漏洩は確認されていない。経済産業省は週内にも、ベネッセに個人情報保護法に基づく報告を求める方針を固めた。
記者会見した原田泳幸会長兼社長は「個人情報が社外に流出して多大なご迷惑をかけ、深くおわび申しあげる」と謝罪した。専用電話を設け、顧客からの問い合わせへの対応を始めた。
ベネッセによると、4月時点で会員数365万人の進研ゼミや幼児向けの「こどもちゃれんじ」といった通信教育の利用者、「いぬのきもち」などの雑誌の購読者などを登録したデータベースから情報が流出した。インターネット経由での不正アクセスの痕跡は確認されておらず、原田社長は「持ち出したのは当社グループ社員ではない」と話し、社外の関係者が情報を漏らしたとの見方を示した。
ベネッセには6月26日から「ベネッセだけに登録していた個人情報で別の企業からダイレクトメールやセールス電話がきた」との問い合わせが急増した。専門企業に調査を委託し、7日の段階で自社のデータが漏れた可能性がきわめて高いとの結果が出たという。
原田社長は「情報が漏洩したのは私が社長に就任する以前のこと」と発言し、自身の処分については否定。問題解決後に前社長の福島保副会長と最高情報責任者を務める明田英治取締役が引責辞任すると説明した。
再発防止のため、情報が持ち出されたデータベースの運用は停止する。進研ゼミの教材の発送など通信教育サービスに影響はないという。顧客情報データベースへのアクセス監視強化など、不正を防ぐ取り組みも進めていく。
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