ゲームのgumi:12月にも東証一部上場へ、主幹事に野村
7月10日(ブルームバーグ):モバイルゲームのgumi(グミ、東京・新宿)が、早ければ12月に東京証券取引所に上場する計画であることが明らかになった。新規株式公開(IPO)の主幹事には野村ホールディングス を起用する見通しだ。
複数の関係者によれば、スマートフォン向けゲームを開発、運営するgumiは12月にも東証第1部 市場に上場する計画。時価総額は1000億円近くに上る可能性がある。IPOは日本国内で個人と機関投資家向けに実施する予定だ。8月にも東証に上場申請を行う見通し。
モバイルゲーム企業ではこれまで新興企業向けのマザーズなどを経て東証1部に市場替えする例がほとんどで、今回のgumiのような直接上場は極めて珍しい。同社は韓国、中国、シンガポール、台湾、フィリピン、インドネシア、フランス、アメリカで業務を展開、海外の売り上げが国内を上回っており、世界トップのソーシャルゲームプロバイダーを目指している。
gumiの広報や経営企画担当者に取材を試みたが、コメントは得られていない。野村HDの山下兼史広報担当はgumiのIPOや主幹事への起用についてコメントを避けた。
株主には同じゲーム関連のグリー やセガネットワークスのほか、ジャフコ 、三菱UFJキャピタルなどが名を連ねる。gumiは今月までに米カリフォルニアを本拠とするWiLが運営するファンドやジャフコ、グリーなどに総額50億円の第三者割当増資を行った。調達資金はコンテンツを世界に提供するための事業に使うとしている。
バックパッカー国光宏尚CEO(最高経営責任者)は高校卒業後10年間、中国、インド、カナダ、中南米、米国など30カ国を放浪、2007年に同社を設立した。同社のホームページによれば、社外取締役にグリーの青柳直樹取締役が就いている。国光CEOの7月4日のブログによれば、国内外で現在約800人のスタッフを抱え、今後海外展開を加速させるという。
セガネットワークスとgumiは7月4日、資本業務提携を発表。セガが日本国内で展開するゲームコンテンツをgumiの海外拠点を通じて米国など英語圏で提供するという。同社は日本向けコンテンツを海外の現地言語に翻訳し、キャラクターも対応させるなど現地のプレーヤーの嗜好や環境に合わせた運営やプロモーションを得意としている。
gumiはスマートフォン向けロールプレイングゲームの「ブレイブフロンティア」などのヒット作で知られる。同社は今後、自社コンテンツのみならず他社が持つコンテンツについても世界に向け配信し、売り上げ拡大を目指すという。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 日向貴彦 Takahiko Hyuga thyuga@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chitra Somayaji csomayaji@bloomberg.net平野和, 持田譲二
更新日時: 2014/07/10 00:01 JST