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 「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」などで学ぶ子どもたちの名前や電話番号などが、外部へ大量に流出した。過去最悪を大きく上回る2070万件分に及ぶ可能性がある。突然舞い込んだ見知らぬダイレクトメールなどに、利用者らは不信をあらわにする。

■漏洩の詳細、明らかにせず

 「お客様のお怒りをしっかり理解し、信頼を取り戻していきたい」

 ベネッセホールディングス(HD)の原田泳幸会長兼社長は9日の会見で、深々と頭を下げた。原田氏は日本マクドナルドHDのトップを長く務め、先月21日にベネッセHD社長に就いたばかり。流出があった顧客には謝罪文を送る方針で、「100回線以上準備した専用電話で、真摯(しんし)に説明していきたい」と話した。

 流出した個人情報は判明分だけで約760万件。消費者庁によると、過去最多だった2011年のソニー・コンピュータエンタテインメントの約740万件を上回る。だが、ベネッセは金銭的な補償は行わない方針だ。原田氏は銀行の口座番号や子供の成績といった「センシティブ情報は流出していない」ことなどを理由に挙げ、「金銭的謝罪以外の信頼回復がもっと大事だ」と話した。