中国人慈善家が「国連から授与された賞状」披露・・・国連「英語表記、違っていますけど」
2014-07-09 10:59
企業経営者で、「派手な慈善活動」を続けていることで有名な陳光標氏がこのほど、国連が同氏を「世界で一番の善人」と認定する賞状を受け取った。しかし、公開された賞状の写真について「国連の英語表記が違っている」との指摘が出た。国連側もツイッターの公式アカウントで、「英語表記が間違っている」と表明。陳氏は大金を投じて「偽物」をつかまされたようだ。東方早報が報じた。 陳氏は1969年生まれ。江蘇省の出身だ。現在は江蘇黄埔再生資源利用公司の董事長(会長)を務める実業家で、中国赤十字の常務理事長なども兼任している。 陳氏を有名にしたのは、さまざまな慈善活動だ。多額の寄付を繰り返しているだけなく、「パフォーマンス性」の高い活動も多い。2012年には「環境保護のために」と、北京市内で自転車2000台を市民にプレゼントするイベントを実施した。ただし、「事前申し込みが必要」ということが周知されておらず、会場に多くの市民が殺到して大混乱となり、イベントをいったん取りやめた。 2014年6月25日には米ニューヨークで「ホームレス招待するランチパーティー」を実施。ただし、当初予定の「700人招待」は現地警察の反対で、250人に圧縮。参加者に「300ドルを進呈」の計画も、ニューヨーク側支援組織の「現金を配るのは好ましくない」との考えで取りやめた。同イベントに対しては中国で「なぜわざわざ、米国のホームレスに食事をふるまわねばならないのか」との批判も出た。 同イベントでは、国連名義による陳氏を「世界で一番の善人」と認める賞状の授与式も行われた。「中国グローバル協力基金会」なる組織から派遣されたという男性が、陳氏に賞状を手渡した。その後、にこやかな表情で賞状を受け取る陳氏や、賞状を大きく写した写真が公開された。 陳氏は6日にメディアの取材を受け、「私は今、世界で一番善良な人物になったのです」などと誇らしげに語った。 ところがインターネットで、陳氏が示した賞状の写真について、「国連は英語で<United Nations>なのに<United Nation>だ」と、英語名詞で複数を表す<s>が抜けているとの指摘が相次いだ。 国連関係者も7日深夜、ツイッターの公式アカウントで「ううむ。ご紹介しておきましょうか。国連の英語名は<United Nations>で、<United Nation>ではないんですねえ」とつぶやいた。 陳氏は同問題について「中国グローバル協力基金会の方から持ち込まれた話でした。賛助費として3万ドル(約305万円)が必要と言われた。私はどうも、だまされたようです」と、賞状が偽物だったことを、事実上認めた。(編集担当:如月隼人)