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国際
【複眼ジャーナル】NYタイムズの矛盾 株価4割減で会長報酬12億円
米ジャーナリズムを引っ張ってきたNYTの「商業化」(元NYT調査報道デスク)が目立ち始めた。最たる例は5月に発表した編集主幹のジル・エイブラムソン氏の突然解雇だろう。
エイブラムソン氏はNYTでは初の女性編集主幹。解雇理由では、採用方針や賃金でオーナー家会長との確執がささやかれているが、NYTの商業化路線に同氏がついていけなかったことが根底にあるようだ。
メディア・ウオッチャーの間では「勧告文」なる題名の文書が出回っている。電子化路線に向けてNYTの特別チームがまとめた文書で、編集局内での戦略・分析部門の設立や収益部門との連携を勧告した。「編集局と収益部門の完全分離」という 「米ジャーナリズムのおきて」の事実上の緩和を求めたのである。
だが、エイブラムソン氏は編集とビジネスの融合には抵抗したそうだ。
「立派なジャーナリストだが、経営戦略やIT技術には疎い」と知り合いのNYT記者はエイブラムソン氏解任には納得顔だ。この知り合いは「利益を上げないとジャーナリズムは持続できない」とするが、皮肉なことに、NYTの経営者こそ、「資本主義の番外地」に安住してきた。
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