- [PR]
国際
【複眼ジャーナル】NYタイムズの矛盾 株価4割減で会長報酬12億円
米国のジャーナリズムに貢献した記者をたたえるエリオット・ベル賞の授賞式が、マンハッタンで毎年夏に開催される。授賞式の前にはちょっとした飲み会があり、仲間内のゴシップ情報を交わす場としても、地元記者は楽しみにしている。今年は18日夜に開かれ、税務を専門とするベテラン記者が受賞した。
今年の「飲み会」では、地元の有力紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が話題になった。NYT電子版の名物コラム「銃リポート」の終了が突然決まった“事件”である。
「銃リポート」の開始は、コネティカット州ニュータウン市で2012年末に起きた銃乱射事件がきっかけで、銃にまつわる犯罪や法制度を紹介してきた。コラムニストとその助手が担当者で、統計データを駆使するのが特徴だ。米国で流行する「データ・ジャーナリズム」の先駆けだった。
だが、経営陣は助手の昇給要請を却下し、経費削減のためコラム自体を廃止することにした。NYTの労務規定では、助手が一定以上の記事を書いた場合、給与を上げる。骨の折れるデータ解析で助手の時間外賃金がかさんでいたのだ。
銃に関するネット記事はどんなに読者から人気があっても、イメージが悪いので広告主が嫌がる。社会的意義よりも収益的理由を優先して、「銃リポート」にバッテン印を付けたのだ。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]