a とか an とか the などの冠詞をいつどんなときに使うのかって、とっても悩ましい問題のひとつです。そして変なルールを習うんですよね。「固有名詞の前には冠詞はつかない」とか「太陽の前には the をつけて the sun にする」とか。そしてなんだか釈然としないまま大学受験も乗り越え、いよいよ社会に出て英語でメールを書くはめになった時に、ガクゼンとするんです。
いったいどんなときにどんな冠詞を使うのか、今日は特に定冠詞 the を取り上げて考えてみたいと思います。
冠詞の使い分けの感覚は、日本語の助詞に近い
僕たちが日本語をしゃべる際には、どんなときに「が」にしようか、あるいは「は」にしようかなんて特に悩みません。たとえば、です。
彼は会社の社長です。
彼が会社の社長です。
「は」と「が」が入れ替わっただけで、ずいぶん異なった印象になるものですが、僕らは別に「え〜と、『が』の後ろには一般名詞が来るから……」とか考えながら話しているわけではありません。多分この2つの助詞の使い分けには、それなりに難しいルールがあるんです。でもそのルールを説明できる日本人はほとんどいません。それでも、日本語環境で育てば、3〜4歳くらいになるころには、この使い分けをごく自然とできるようになっているのです。だから僕たちが目指すべきなのは、パターン分類による冠詞の使い分けではなく、ごく自然と冠詞の使い分けができるようになることです。
じゃあ the ってどんなときにつくの?
では実際問題、the はどんなときにつくのでしょう。いくつかのルールがありますが、原則は「あなたも私も共通して知っているもの」を表すときに the が用いられるんです。まず、次の例文を見てみましょう。
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