アクセス解析エキスパート直伝!デジタルフォレストPVアップ講座
PVアップの登竜門!直帰率を改善する~「即行直帰」と「もったいない直帰」の違い~
せっかく多くのユーザーにサイト訪問してもらっても、エントランスページだけを見て去ってしまう、つまり「直帰」されてしまっては意味がありません。今回はアクセス解析データを用いて、どのようにエントランスページのボトルネックを解消し、どのように投資対効果を改善できるかお伝えします。
エントランスページがボトルネック=直帰率が高い!
今回は、ユーザーの一連の行動を4つのプロセス(サイト訪問、エントランスページ、サイト回遊、コンバージョンプロセス)の中の、2番目のプロセスである「エントランスページ」がボトルネックである場合について説明します。一般的に、サイト訪問とエントランスページは関連が深いですが、あえてエントランスページに限定した説明をしますので、その点を念頭に置いて、読み進めてください。
■エントランスページ
エントランスページがボトルネックであるということは、直帰率が高いことと、ほぼ同義です。ではこの直帰率を改善するために何をすべきでしょうか?以下3点に分けて説明します。
- どのページの直帰率を改善すべきか?
- 直帰にも種類があることを知っていますか?
- 直帰しなければ万事OKですか?
それでは、はじめましょう。
どのページの直帰率を改善すべきか?
みなさんが直帰率を改善したいと考える理由は何でしょうか? 直帰率を改善させることによりコンバージョン数を増やしたい、広告の投資対効果を高めるために直帰を減らしたい、といったところだと思います。効果的に直帰率を改善させるためには、改善対象のページを明確にすることがまず重要です。以下2種類のページを改善させることにより、サイト全体のパフォーマンスが改善します。
- 投資額の多いキャンペーンのランディングページ
- 流入数の多いページ
後者の「流入数の多いページ」について、もう少し詳しく説明しましょう。流入数が多く直帰率が高いページを特定したら、広告出稿を止める、ページを改善させるといった改善アクションの前に、そのページへの流入元のトップ10をチェックしてみてください。流入元ごとの直帰率の傾向の違いにより、取るべき改善策は変わるからです。
- 流入元ごとに直帰率が違う場合
⇒直帰率の高い流入元の改善(出稿ワードやクリエイティブとランディングページの整合度合いの確認・改善や広告出稿止め) - 流入元ごとに直帰率があまり違わない場合
⇒対象ページの改善(ユーザビリティや導線の確認・改善)
直帰にも種類があることを知っていますか?
直帰とは、ユーザーが1ページだけを閲覧して、サイトから立ち去ってしまうことです。実は、直帰には種類があることをご存知でしょうか? みなさんも、日々さまざまなサイトを訪れて情報収集し、幾度となく直帰していると思います。その直帰のパターンは、以下のように分けられるのではないでしょうか。
1.サイト訪問するも、求めている情報が存在しないと瞬時に判断して離脱
2.サイト訪問し、求めている情報を見つけるも、その後のアクションをどのように取ればよいかわからず離脱
3.サイト訪問し、求めている情報を見つけ、満足した上で離脱
■直帰にも種類がある
私は上記1の直帰を「即行直帰」、2、3の直帰を「もったいない直帰」と呼んで区別しています。1、2、3ごとの対応策は、基本的には以下のように違います。
1の原因は、キャンペーンとランディングページの特にファーストビューの間の乖離が主原因です。キャンペーン内容とランディングページのファーストビューの内容をできるだけ一致させることが重要です。2の原因は、ページのユーザビリティや次ページへの遷移のわかりにくさが主原因です。ユーザビリティの改善はコンサルタントに相談するか、ユーザビリティテストやヒューリスティック評価を用いて改善ポイントを明確にすることをお勧めします。
そして、3はユーザーの立場に立てば成功といえますが、サイトを運営するみなさんの立場からすれば、必ずしも成功とはいえないのではないでしょうか。ペルソナを用いて、個々のターゲットユーザーが何を実現したいと考え、そのためにどのような情報をどのような順番で提供すべきか検討・想像したし、コンテンツやリンクを追加することで、より成功に近づくことができます。
直帰しなければ万事OKですか?
ここまでは直帰率を下げることについて説明してきました。しかし、エントランスページの役割として、直帰しなければ万事OKなのでしょうか? エントランスページの役割として、適切な2ページ目にユーザーを誘導することが非常に重要です。そのためにエントランスページの遷移先を把握し、その状況に応じた改善をする必要があります。
- 遷移先が想定どおりの場合
⇒エントランスページとしては成功。改善必要なし - 遷移先が想定外の場合
⇒エントランスページとしては失敗。失敗の原因として、ページのユーザビリティが悪いのか、サイト運営者が意図するユーザー遷移シナリオと実際のユーザーのニーズが異なっているかは、個々の状況に応じて判断する必要あり
遷移先が想定外の例として、あるページは特定キャンペーンのランディングページであるのに、通常のナビゲーションバーを入れている場合などがあります。このような場合、キャンペーンでオファーしようとしている内容(トライアル、サンプル等)と関係ない情報へのリンクやナビゲーションを表示しない、といった対応をとることにより改善できる場合があります。
今回は、アクセス解析データを活用して「エントランスページ」をどのように測定し、改善できるか説明しました。次回は、エントランスページや直帰率改善のための先端手法、特に先端テクノロジーを活用した方法について紹介します。おたのしみに。