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刑務所「夏に暖房25時間」 国に賠償命令7月9日 22時28分
6年前、宮崎刑務所で、刑務官らに、夏に暖房をつけた保護室に25時間、閉じ込められたとして、鹿児島市の元受刑者の男性が国に損害賠償を求めた裁判で、鹿児島地方裁判所は「服役態度を快く思っていなかったことへの報復目的で、違法な公権力を行使した」として、国に300万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
この裁判は、平成20年7月、宮崎刑務所に服役していた鹿児島県の60代の男性が、床暖房を入れ、室温を最高38度まで上げられた保護室におよそ25時間閉じ込められて、やけどを負ったうえ、当時の刑務官らが室温の記録を実際より低く改ざんしたとして、国に2200万円の損害賠償を求めているものです。
鹿児島地方裁判所で開かれた9日の裁判で、吉村真幸裁判長は「男性の服役態度を快く思っていなかった刑務官らが報復目的で違法に公権力を行使した。被告の苦痛は想像を絶するものだ」と指摘しました。
そのうえで、「当時の刑務官らによる資料の改ざんなどで適切な調査が遅れた」として、国に300万円の支払いを命じました。
元刑務官ら5人は検察庁に特別公務員暴行陵虐罪などの疑いで書類送検されましたが、4年前、いずれも起訴猶予になっています。
刑務所の実態が浮き彫りになった
男性の代理人を務める鴨志田祐美弁護士は「主張が認められた判決だと考えている。今回の判決で、刑務所の実態が浮き彫りになった」と話しました。
また、宮崎刑務所の平田勝総務部長は「判決を真摯(しんし)に受け止め、職員の指導を徹底して再発防止に努めます」と述べました。
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