【社説】1カ所でも機能していればセウォル号大惨事は防げた=韓国

【社説】1カ所でも機能していればセウォル号大惨事は防げた=韓国

2014年07月09日16時01分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  旅客船セウォル号沈没事故の直接的な原因は、「兪炳彦(ユ・ビョンオン)会長、イ・ジュンソク船長」で代弁される、安全より利益を優先した船舶運航と、乗客を放置して脱出した船員の極端な無責任だった。しかしこうした貪欲と怠慢を牽制して生命を守るべき関係当局が役割を果たせなかったのは、全面的に国家の責任だ。監査院は「セウォル号沈没事故対応実態」監査を通じて、規定違反と遅い救助、官民癒着など総体的かつ慢性的な公職社会の弊害が改めて確認されたと明らかにした。

  機関別に明らかになった実態は驚くほどだ。まず仁川港湾庁は、清海鎮(チョンヘジン)海運が提出した、変造されたセウォル号導入契約書を確認もせず認可した。船舶検査を引き受けた韓国船級は安全の根幹である復原性をきちんと調査しなかった。運航の承認を出す仁川海洋警察署は、セウォル号が安全要件を満たしていないにもかかわらず運航管理規定を承認した。船舶の過剰積載状態を点検する海運組合も、セウォル号の常習的な車両積載限度超過を摘発できなかった。これら機関のうち一つでも役割を果たしていれば、少なくとも数百人が犠牲となる大惨事は防ぐことができた。

  事故直後の対応過程でも問題が確認された。海洋警察はセウォル号が沈没した該当海域に艦艇を配置することになっていた海岸警備規則を破り、それより小さい警備艇を送り出していた。警備艇にはわずか9人の救助員しか乗っていなかった。セウォル号が100度以上傾いて沈没する緊迫した状況で、海洋警察庁状況室は一線の海洋警察に「落ち着いて救助しなさい」というどんでもない指示を出した。

  行政の基本は牽制と均衡だ。このような基本原理を崩したのは官民癒着と機関利己主義だ。実際、海洋警察の関係者は船舶会社から無料出張と接待を受けたことが明らかになった。また、最初に申告を受けた済州海洋警察と全南消防本部は管轄でないという理由でお互い処理を押し付け合ったため、出動命令が遅れた。今回の監査の最も大きな成果は、我々が正すべき公職弊害の標的を明確にした点だ。
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