伊藤綾
2014年7月9日19時12分
肝炎ウイルス検査で感染がわかっても、継続して治療をしていない人が全国に少なくとも53万人いると、厚生労働省の研究班が推計した。自覚症状がほとんどないためとみられるが、放っておくと肝硬変や肝がんに進行するおそれがある。同省の肝炎対策推進協議会で9日、報告された。専門家が継続して治療するよう呼びかけている。
研究班は、献血で感染が判明した人の割合から、知らないまま感染している人が2011年時点で全国に約78万人いると試算。00年時点では240万人以上いたとされ、その後治癒した人や死者、通院者数などをもとに推計。その結果、感染を知りながら治療を続けていない人は、全国で53万人以上となった。
ウイルス検査で陽性と判定された2177人の追跡調査では、医療機関を受診したのは1442人。そのうち、継続して治療を受けたのはB型肝炎で70%、C型肝炎で85%だった。
調査した田中純子・広島大教授(疫学・疾病制御学)は「自覚症状がなく治療の必要性を感じないため、検査が治療に結びついていない。効果の高い治療薬や医療費助成もある。陽性ならば医療機関を受診してほしい」と話している。(伊藤綾)
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部
PR比べてお得!